別所線の復興について
中村 悠基
別所線についての質問でございますが、今上田市からは、一般会計から多額の支出を別所線にはしております。先日、26日の新聞には、鉄道の上下分離を要件とし、鉄橋復旧費の97.5%の支援を国が検討しているとの報道もありました。そして、今現状問題になっておるのが、この復旧に当たり上田市民としても左岸と右岸で多くの意見がある中で、赤字路線のままでは復旧に対して反対の市民もいるということでございます。
そこで、質問いたします。
1問目は、きのうの池田議員の答弁で回答いただいておりましたので、割愛いたしますが、現状別所線の運営経費の削減はかなり実行されていると思うので、そうではなく、何か新しい取り組みによる付加価値をつけるべきであり、もうかる路線にして上田市の支出を縮減していくべきと思うが、それに対して市長はどのような考えであるか。
以上お聞きして、私の一般質問とさせていただきます。
市長(土屋 陽一)
別所線につきまして質問をいただきました。昨日の池田議員の質問とダブるということで省略がありましたけれども、そこに行き着くまでは多少触れなければいけないので、お答えさせていただきます。
別所線につきましては、この歴史は1921年、大正10年から開業されております。まさに100年の節目のこのときであります。この地域において別所線の意味は、昨日も触れさせていただきましたように、昭和48年、そしてまた平成16年の2つの大きな危機を乗り越えてきた。それも市民の熱意によって乗り越えてきた別所線であるということであります。そして、またこの役割につきましては、通勤通学あるいは高齢者のための生活、交通の役割を持っており、教育・文化、景観、環境、住民協働の場、そして観光誘客など欠くことのできない大切な地域資源であり、財産であります。
災害直後から、市民や上田市にゆかりのある皆様から大変多くの応援をいただいておりまして、その輪が広がってきております。また、昨日も触れさせていただきましたが、自治会連合会での別所線電車存続期成同盟会との連携によりまして、12月中には署名活動を実施していただくということになってきております。まさに市民一丸で復旧に向けた大きな後押しになるというふうにも考えております。また、現在バスの運転手の関係でいきますと、運転手の不足、路線バスの事業の縮小傾向もある中で、年間130万人の輸送力を誇る別所線をバス輸送で代替することが大変困難であるということは、申し上げるまでもありません。
橋梁の復旧に向けては、復旧方法、国庫補助金の絡み、枠組みあるいはスケジュールなど、先ほど議員も触れていただきましたように、現在国交省とも協議あるいは検討中であります。上田市といたしましても、国、県との連携によりまして、1921年、大正10年の開業から100年となるこの節目のときに、右岸地域、左岸地域を結ぶ市民の心のかけ橋たる赤い鉄橋として復活できるよう事業者を支援してまいりたいと思います。
また、別所線の黒字化を目指してということであります。大変このことにつきましても大きなテーマであります。そのために、上田市の支出を縮減していく考えはどうだということであります。収益増加のためには、輸送人員の増加が主要な取り組みとなります。これまで事業者の経営努力はもとより、地域住民、沿線住民、行政が連携協力して利用促進に取り組んでまいりました。別所線のさまざまな期成同盟会を通しまして、多くの事業を取り組んできたのはご存じのとおりであります。今後も事業者の交通事業に当たりましては、特別交付税の措置のあり方あるいは国へのさらなる財政支援の要請、現在準備中であります。
また、現在準備しておりますふるさと寄附金の別所線支援コースの新設につきましても、新たな財源確保の取り組みを展開する中で財政負担の軽減も図ってまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。