令和元年3月議会質疑応答

市政について

o 議長(小林 隆利君)次に、質問第10号、市政について、中村議員の質問を許します。中村議員。

          〔4番 中村 悠基君登壇〕

o 4番(中村 悠基君)通告に従い、まずは前12月定例会において飯島議員、山田元議員から質問がありましたAI特区について質問いたします。

 前12月定例会の時点では国のAI特区に対する方針やその中身については不透明な部分が大半でありましたが、先月2月14日にAI特区について国家戦略特区諮問会議にて最終取りまとめが行われ、閣議決定もされたことにより、まだ最終的なものではないと思われますが、その具体的な方向性に関して徐々に示されてまいりました。

 そこで、まずは簡単にこのAI特区とは何なのか、スーパーシティ構想の実現に向けた有識者懇談会の資料より引用し、簡単に説明させていただきます。スーパーシティは、最先端技術を活用し、第四次産業革命後に国民が住みたいと思うよりよい未来社会を包括的に先行実現するショーケースを目指す。これまで日本国内においてスマートシティや近未来技術実証特区などの取り組みがあった。しかし、エネルギー、交通などの個別分野での取り組み、個別の最先端技術の実証などにとどまっていた。スーパーシティは、これらとは次元が異なり、丸ごと未来都市をつくることを目指す。すなわちエネルギー、交通などの個別分野にとどまらず、生活全般にまたがり、最先端技術の実証を一時的に行うのではなく、未来社会での生活を先行して現実にするとあります。要約すると、これから確実に訪れる未来の世界を試行錯誤しながら先行実現し、ほかの都市の見本をつくろうとしている構想がスーパーシティ構想であり、それを実現させるための特区がAI特区であります。市長も選挙の公約にAI、IoT等超先進産業の集積を掲げておりましたので、このAI特区に対しては魅力を感じているのではないでしょうか。

 しかし、AIといっても幅が広く、AIの内容をしっかりと理解している方ばかりではなく、AIとは何なのか、どこかの映画で出てくるような自動で動いて人間を攻撃してくるようなものではないのかなどなど、市民から不安の声も多くあるのが現実であります。市民が疑心暗鬼に陥らないためにも、早い段階からしっかりと説明していく必要もあります。

 そこで、質問いたします。1つ目として、市長はAIが脅威になると感じたことはあるか。

 2つ目として、AI特区に参加するメリットとデメリットはどうか。

 以上2点質問いたしまして、第1問とさせていただきます。

o 議長(小林 隆利君)土屋市長。

          〔市長 土屋 陽一君登壇〕

o 市長(土屋 陽一君)AIについての質問でございます。

 私も専門家ではありませんので詳しいことはわかりかねますが、AIとは、日本語で人工知能というように、人間の脳が行っている思考や、あるいは推測、記憶などの知的作業をコンピューター上で実現させるための仕組みや技術、試みと認識しております。AIの脅威については、以前から報道等でいずれ人類を滅ぼす意思を持つのではないかですとか、仕事を奪われて失業してしまうのではないかなど言われていることは聞いたことありますが、しかし私自身は実体験としてAIを脅威と感じていることはありません。むしろAIを活用することによって、例えば車載カメラが前方に何があるのかを認識し危険を回避する、人の言葉を聞き取り、文字にあらわすなど、人間をサポートしたり世の中を便利にしてくれるものと認識しております。

 私からは以上でございます。

o 議長(小林 隆利君)柳原政策企画部長。

          〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕

o 政策企画部長(柳原 渉君)メリットとデメリットというご質問について私のほうから答弁させていただきます。

 AI特区、いわゆるスーパーシティ構想につきましては、先月国の有識者者懇談会の最終報告が国家戦略特別区諮問会議においてなされました。最終報告の中では、スーパーシティの具体像、エリアの設定、スーパーシティ実現に必要な法整備、インフラ、技術面で必要な政策などについてまとめられております。まず、メリットといたしましては、第四次産業革命を先行的に体現した最先端都市としての知名度向上による地域の付加価値につながる、そういった可能性があるということが考えられます。また、実際に最先端都市に居住したい市民にとってみますと、革新的な暮らしがあるというふうに考えております。一方のデメリットでございますが、現在のところメリットについて先ほど申しました内容のことのほかにはなく、負担が非常に大きいのではないかということで考えているところでございます。構想を進める上で必要となるであろうさまざまなインフラ整備等について国が支援するとはまだ決まっていないというような状況でありますし、また税制優遇等もあるとは伺ってはおりません。

 具体的に申し上げますと、認定エリアではスーパーシティを支える構造となる未来仕様の都市インフラが必要となります。道路、水道などデジタルインフラを組み合わせたり、データ連携のために必要な通信基盤、センサー、デバイスなどを物理的インフラに埋め込んだりする必要がございます。しかしながら、現在これらのインフラ整備に対する国からの支援の有無についてはまだ確定はしていない状況ということで把握はしております。また、認定エリアにつきましては、国は新しい都市をつくることも想定をしておりまして、その場合スーパーシティ構想に関するインフラ整備に限らず、全てのインフラを整備し、都市開発をし、新たな住民を集めることとなります。また、既存の都市において認定を受けることも可能でありますが、その場合は住民合意を形成しつつ、必要な再開発、インフラ整備が必要ということでございます。

 先ごろ国は有識者懇談会の最終報告に基づき法整備等を早急に進めるということの新聞報道がございました。具体的には、未来都市の設計、運営の方針などに対する住民合意があることを条件に、地方事務にかかわる政省令について条例で規制特例を設定可能とすることなどでありますが、この前提としまして住民合意、地方議会の承認の手続を進めるとしております。スーパーシティ構想は一つの都市構造をそのまま全て変えてしまうような取り組みでございまして、住民合意につきましては、住民投票によるとも言われております。

 いずれにいたしましても、構想におけるメリットとデメリットにつきまして、現在公開されております情報からは今申し上げたとおりでございます。

 以上でございます。

o 議長(小林 隆利君)中村議員。

          〔4番 中村 悠基君登壇〕

o 4番(中村 悠基君)ただいま答弁をいただきまして、少し補足する必要があるのかと思いました。現在私のこの手元にはスーパーシティ構想の実現に向けて最終報告という先ほど申し上げた資料がございますが、この中ではインフラ、技術面で必要な政策といたしまして、国主導で迅速にインフラの整備を行う必要があるということで、国のほうといたしましては、予算の確保などからこのスーパーシティ構想におけるインフラ整備については予算は国のほうで出していくという考えであるのかと思っております。

 続きまして、先日上志の風の視察で総務省の担当者からもヒアリングさせていただきましたが、具体的にAI特区に参加するために必要なことがわかってきたとともに、課題も見えてまいりました。先ほど答弁の中でもありましたが、たくさんの課題があるのが現実であると思っております。簡単に課題を挙げさせていただきますと、1、検討期間が短い、AI特区をやると総務大臣が決めた昨年11月から応募開始のことし平成31年の6月まで準備期間が短過ぎる。2、ショーケースを国が求めているため、市内のばらばらの地域に分散するのではなく、1カ所に5項目の未来技術を集積、実現する必要がある。3、先ほども答弁でありましたが、住民の合意を得られるか不明確、根本的にその地域に住む住民の生活環境が変わるため、住民の合意が得られるかわからない。4、中核となる企業がいない。海外で言えばグーグル、アリババなど、こういった大企業であります。

 しかし、これらの課題があったとしても、市長が市の方向性としてこれらを強力に推進していくのだとリーダーシップを発揮していただければ、決して特区への応募は無理なことではないと思います。このスーパーシティの実現に当たっては、その一つの要件といたしまして市長の強いリーダーシップという項目もあるのが現実であります。やれない理由など今挙げたものがあれば十分であります。しかし、今市民が求めているのは、やれない理由ではなく、挑戦する気持ちではないでしょうか。先ほどの飯島議員の答弁では、上田市にAI、IoTがどのようにマッチングするかが問題とありましたが、これらの技術は必ず普及する技術であり、それをどのように上田市にマッチングさせていくのかが重要であります。未来のため、子供や孫、ひ孫世代の上田市民のために、きっととんでもなく大変だと思いますが、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」、勇猛果敢に虎の穴に飛び込んでみようではありませんか。

 それでは、本題の質問に入ります。12月定例会の一般質問ではAI特区の実務者担当会議を早々にスタートするように指示したとの答弁があったが、進捗状況はどうか。また、上田再構築プランや東信州次世代イノベーションプランではAIやIoTなどの最先端技術の活用や集積を掲げていることからAI特区に申請すべきと考えるが、検討結果を踏まえAI特区に申請する考えはあるか。もしAI特区に申請しない場合やAI特区に指定されなかった場合は、AIやIoTと次世代産業の発展のためにどう取り組むか。

 以上2点質問いたします。

o 議長(小林 隆利君)土屋市長。

          〔市長 土屋 陽一君登壇〕

o 市長(土屋 陽一君)AI等を生かす政策全般について検討する実務担当者会議は、広くAIあるいはIoT全般について実務者レベルで情報共有を図りながら、庁内、庁外にかかわらずAI、IoT等の活用に向けた見識を高めて実用化に向けた検討をしていく場として、昨年12月に庁内関係課参集のもと実施され、各課が有する情報を共有するとともに、改めてAIあるいはIoT等の活用に対する認識を確認したという報告を受けております。今後も常に国の動向に注視しながら、AI等を活用した政策全般についての検討を指示しております。

 続いて、AI特区の申請に対する考え方でございますが、先ほど部長の答弁にもありましたが、先月国の有識者懇談会からスーパーシティ構想の実現に向けた最終報告がありました。報告書には、私が以前も答弁申し上げましたが、スーパーシティ認定に必要な条件等が示されております。例えば、スーパーシティの具体像には生活全般にまたがる10の領域があり、その中には自動走行、自動配送、キャッシュレス、AIホスピタル、遠隔教育などがありますが、このうち5つの領域の取り組みを認定区域内限定で完全実施することなどでございます。スーパーシティ構想に係るAI特区の申請につきましては、今後法改正等が進む中でエリア認定に関する詳細等が明らかになってくると思います。現在確認できることからは、内容、スケジュール的にもハードルが高いと認識はしておりますが、こうしたAI等を活用した政策につきましては、未来を見据えた上田市に取り入れられるものは取り入れるべきであると認識しております。引き続き検討をしていくべきテーマであります。

 今後もアンテナを高くし、国や県から情報を収集しながら、また庁内においても職員研修等によりAI等を活用した施策等に対して積極的に研究をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

o 議長(小林 隆利君)中村議員。

          〔4番 中村 悠基君登壇〕

o 4番(中村 悠基君)ただいま答弁いただきまして、先ほども飯島議員の質問での答弁でも市長はほかの都市におくれないようにということで言われておりました。そんな中、今回この議会の中でも政策研究センターというものがつくられるということで、特区に限らず、このAI、IoTに関してその政策研究センターで検討することはできないか、再質問いたします。

o 議長(小林 隆利君)土屋市長。

          〔市長 土屋 陽一君登壇〕

o 市長(土屋 陽一君)これからの時代はAIやIoTの活用により地域産業の方向性や市民の暮らしが大きくさま変わりしていくことが予想され、市といたしましても新たな価値を創造する産業振興にスピード感を持って取り組まなければならないと思っています。もとよりこの地域には企業立地における地理的あるいは気候的な優位性に加え、製造業を中心とした多様な産業集積あるいは自動車や電気で培った高度な技術力の基盤があり、さらには産学官連携に先進的に取り組んでいるという卓越性があります。こうした地域の強みを最大限に生かしながら、東信州次世代イノベーションプランでは、AI等の最先端技術を生かし、モビリティー、あるいはウエルネス、あるいはアグリビジネスの3つの分野での次世代産業の創出を目指し、産業界の皆さんとともに取り組みを推進しているところであります。AI特区の指定の有無にかかわらず、私はこのプランの実現という大きな目標に向かって地域企業の皆様にプロジェクトへの参画を促し、この地域から挑戦を胸を張って発信できるよう積極果敢に取り組んでまいりたいと考えております。

 いずれにいたしましても、AI等先端的なものへの対応の必要性については十分認識しております。こうしたことから、ただいまご指摘もありましたが、新たに設置いたします上田市政策研究センターでの研究テーマの有力なテーマの一つと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

o 議長(小林 隆利君)中村議員。

          〔4番 中村 悠基君登壇〕

o 4番(中村 悠基君)ただいま答弁いただきまして、本当に今回政策研究センターというものをつくるのであれば、まさに専門家の方々が入られてこれからの次世代産業、AI、IoT産業というものをしっかりと理解した方を入れていただきまして、ぜひ研究のほうを進めていっていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 続きまして、市職員の労働組合について質問いたします。まず初めに、2月6日の産経新聞の記事から抜粋であります。神戸市の職員団体、市職員労働組合(市職労)などの組合幹部らが職場を離れて組合活動をしながら給与を受け取る闇専従をしていた問題で、市は6日、闇専従を行った組合幹部29人や不正を黙認した歴代市幹部ら計189人の処分を発表した。市は平成25年度以降の闇専従で不当に支払われた給与額を算定し、約1億7,500万円の返還も同日請求したとのことで、全国的に現在大きな問題になっている闇専従問題であります。簡単に闇専従とは何かと説明いたしますと、組合役員が就業時間中にもかかわらず、届け出をせず組合活動に従事していたということで、市から給与をもらいながら組合活動をすることをいいます。これらは総務省により全国一斉に1度実態が確認されており、それらの行為があった自治体については是正されてきた経過があります。しかし、今回の神戸市のようにずっと隠してきて今になり明るみに出てくることもありました。

 上田市ではそんなことはないと思いますが、現在話題になっておりますので、確認の意味を込めまして質問いたします。上田市には職員労働組合の闇専従はあるか。また、調査はどのように行っているか。

o 議長(小林 隆利君)神代総務部長。

          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕

o 総務部長(神代 芳樹君)闇専従についてお尋ねをいただきました。

 職員は地方公務員法により職務に専念する義務がありまして、職務中は職務外の業務を行うことはかたく禁じられておりまして、当然のことながら職員団体の業務を行うことも禁止をされております。しかしながら、地方公務員法において職員団体の業務に専従する場合につきましては、任命権者の許可を受けることによって可能とされておりまして、これはその専ら従事する期間は休職者となりまして、いかなる給与も支給されずに、退職手当を算定する勤続期間からも除算をされるわけでありますけれども、現在市におきましては職員団体に1人の職員が専従をしているという状況でございます。

 闇専従の把握に当たりましてこれまでも調査ということまでは行っておりませんけれども、職員の職務専念義務の確保に当たりまして、管理職である所属長が職員の服務管理の一環として出退勤の状況や業務内容等を適切に管理をしておりますことから、上田市において闇専従はないものと認識をしております。

 以上でございます。

o 議長(小林 隆利君)中村議員。

          〔4番 中村 悠基君登壇〕

o 4番(中村 悠基君)闇専従がないということで安心いたしました。

 続きまして、新庁舎の組合事務所について質問いたします。平成29年度12月定例会にて南波議員の新庁舎建設時の組合事務所はどうなるかとの質問に対して市の答弁は、基本設計の中でありますけれども、組合事務所につきましても今後使用の求めに応じまして場所、規模等について協議をしていくことになろうかと考えておりますとの答弁でありました。いよいよ新庁舎建設時期も近づき、具体的な設計も進んできたと思います。労働組合は市の職員の労働条件向上等に資するもので必要と思われますが、新庁舎の建設に際して資材費や人件費の高騰などの理由で建設予算も増額になった経緯もあり、新庁舎の使用目的は市民にとって納得のできるものでなければならないと思います。

 そこで、現在上田市には上田市職員労働組合と自治労上田市職員労働組合という2つの労働組合が存在しておりますが、新庁舎になった場合、2つの組合事務所を新庁舎に入れるのかという疑問が浮かんでまいりました。また、現在は2つの労働組合もこれからさらに分裂や新しく組織され、労働組合の数自体がふえた場合、庁舎における労働組合の事務所が占める割合も多くなります。

 そこで、それらについて質問いたします。1つ目として、新庁舎に職員労働組合の事務所は入るか。また、職員労働組合の事務所数と床面積をどう見込んでいるか。

 2つ目として、複数の職員労働組合が存在するが、新たな職員労働組合が組織された場合、現在ある職員労働組合と同等の事務所を無償貸与するのか。

 以上2点質問いたします。

o 議長(小林 隆利君)神代総務部長。

          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕

o 総務部長(神代 芳樹君)職員労働組合の事務所についてのお尋ねをいただきました。

 現在本庁舎周辺に事務所を設置している地方公務員法上の職員団体、ご紹介ありましたけれども、2つの団体ございまして、1つは自治労上田市職員労働組合、もう一つは上田市職員労働組合でございます。事務所につきましては、北庁舎の2階、3階の2カ所に、床面積それぞれ約13平米と28平米を使用をさせております。新庁舎の組合事務所の設置につきましては、上田市職員労働組合からは事務所設置の要望が提出をされております。市庁舎の改修・改築事業は現在実施設計の段階にございまして、レイアウト等の検討を進めているところでありますけれども、市民の利便性や機能性を最優先にレイアウトを検討する中で、新庁舎内に組合事務所のスペースを確保することは難しい状況と考えておりまして、今後周囲の既存ストックの活用として周辺庁舎への配置を前提に、床面積も含めて協議をしていく予定でございます。

 新庁舎において新たな職員労働組合が組織された場合、現在ある職員労働組合と同等の事務所を貸与のご質問でございますけれども、そのような話が現在あるわけではなくて、仮定の話にはなりますけれども、新たな職員労働組合からの求めがあった時点で場所や規模等について協議をしていくことになると思いますけれども、既存の組合と同様の取り扱いをする必要があるとは考えております。

 以上でございます。

o 議長(小林 隆利君)中村議員。

          〔4番 中村 悠基君登壇〕

o 4番(中村 悠基君)続きまして、組合事務所の無償貸与の根拠の確認の質問に移ります。

 先ほどの質問と同様、平成29年12月定例会の南波議員の組合事務所の使用料に関しての質問に対して市側は、組合事務所の使用料でございますが、いずれも行政財産の目的外使用に関する条例に基づいて使用許可をしておりまして、事務所の使用料は100%減免としておりますけれども、電気料金などの管理経費につきましては、使用面積と事務員の人数に応じて徴収しておりますとの答弁でありました。この行政財産の目的外使用に関する条例の第2条には、行政財産を使用しようとする者は、ほかの条例に特別の定めがある場合を除き、別表に定める使用料を納付しなければならないとあり、第4条で、市長は第2条の規定にかかわらず次に掲げる場合には使用料を減額し、または免除することができるとし、6項目が挙げられております。

 1、ほかの公共団体または公共的団体において公用もしくは公共用または公益事業の用に供するとき、2、行政財産の使用の許可を受けた者が地震、火災、水害等の災害により当該財産を使用できなかったとき、3、職員等当該行政財産を使用する者のための厚生施設の用に供するため当該行政財産を使用させるとき、4、使用者が当該行政財産の維持及び保存の費用の全部または一部を負担しているとき、5、使用者が当該行政財産を寄附し、またはその費用の全部もしくは一部を負担しているとき、6、前各号に定めるもののほか、市長が公益上特に必要があると認めるときとあります。

 そこで、質問いたします。行政財産の目的外使用に関する条例第4条第3号では、使用料の減免対象を職員等当該行政財産を使用する者のための厚生施設の用に供するため当該行政財産を使用させるときと規定しているが、「職員等」の「等」とは誰を想定しているか。平成29年12月定例会の一般質問では、行政財産の目的外使用に関する条例に基づき、職員の任意団体である職員労働組合に組合事務所を無償貸与しているとの答弁があったが、組合事務所は公共施設の利用者全員に福利厚生が適用されるわけではなく、職員の中でも加入者のみが利益享受できる場所である。このため、全職員を対象としない組合事務所は第4条第3号に規定する使用料の減免対象の厚生施設には当たらず、組合事務所の利用料を減免する根拠にはならないと考えるが、見解はどうか。

 以上、質問いたします。

o 議長(小林 隆利君)神代総務部長。

          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕

o 総務部長(神代 芳樹君)まず、行政財産の目的外使用に関する条例第4条第3号の条文中、「職員等」の「等」の想定でございますけれども、この「等」は、その後に続く「行政財産を使用する者」の例示でございまして、行政財産が庁舎等の場合の「職員」を初め、学校施設であれば生徒や児童等、病院施設であれば入院患者等といった方を想定をしております。

 次に、使用料の減免に関する根拠規定でございますが、議員ご指摘のとおり、行政財産の目的外使用に関する条例第4条第3号の規定中、「厚生施設」に組合事務所は該当しないものと判断しておりまして、市はこの条項を適用をしておりません。現状におきましては、これまでの慣例の中で県や県内他市の状況等も参考に、同条第6項の「市長が公益上特に必要であると認めるとき。」を適用して、さらに別に定める減免基準に基づき減免をしているところであります。今後市役所庁舎の改築に伴う移転を機に適正な使用料の負担について職員団体と協議してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

o 議長(小林 隆利君)中村議員。

          〔4番 中村 悠基君登壇〕

o 4番(中村 悠基君)済みません、再質問をさせていただきます。

 今の答弁でありますと、この6項目が該当するかと思いますけれども、この中では「公益上」という言葉が出てきておりまして、公益に組合事務所も当たってこないのではないのかと思っております。そんな中、労働組合の事務所があるのが悪いわけではなくて、しっかりとその根拠となる条例を整備していく必要があるかと思います。この6号に掲げております「市長が」とありますが、これは多分前市長か、その前々か、もっと前の市長が定めたものになるかと思いますが、この件について土屋市長はどうお考えか、お伺いいたします。よろしくお願いします。

o 議長(小林 隆利君)土屋市長。

          〔市長 土屋 陽一君登壇〕

o 市長(土屋 陽一君)今質問いただきましたけれども、なかなか前の市長のときのだと思いますが、これについては今先ほど総務部長も触れていただきましたように、その状況については今触れていただいたとおりでございまして、私もこの辺についてはまた深めていかなければならない一つのテーマだと思っていますので、よろしくお願いします。

 なお、再質問の再質問でありましたので、特に用意しておりませんけれども、ご理解よろしくお願いします。

o 議長(小林 隆利君)神代総務部長。

          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕

o 総務部長(神代 芳樹君)ご指摘をいただきましたけれども、長野県も、それから県内19市も同じような状況の中で、これまでの組合との慣例の中で恐らくやってきているということだと思います。私どもも県の状況等を参考に今回同じ、そこに準じて対応させていただいております。状況とすれば、上田市を除く18市の全てが庁舎内に組合事務所を設置して、うち15市が使用料の減免を行っているという状況で、その減免の根拠もないところもありますけれども、ご指摘の厚生施設の用に供するためというところを適用しているところもありますし、上田市と同じに市長が必要であると認めるときを適用している市が一番多いという状況でありますけれども、いずれにしてもここら辺はもう一度きちんと検証させていただきたいと考えております。

 以上でございます。

o 議長(小林 隆利君)中村議員。

          〔4番 中村 悠基君登壇〕

o 4番(中村 悠基君)ご答弁いただきましてありがとうございます。ちょっと答えづらい質問だったかと思いまして、失礼いたしました。

 続きまして、市民の森一帯の再開発について質問いたします。皆さんご存じ市民の森公園には、ゴーカートやスケート場、遊具があったり、バーベキュー、宿泊施設があったりと、まさに市民の憩いの場となっております。しかし、市民の森公園にあるわしば山荘や遊具も含め全体的に老朽化してきている事実もあり、さらに市民の森公園の南側にある旧パターゴルフ場は荒れ果てていたり、山の中にある遊歩道も歩けないような状態となっているところもあります。冒頭でも述べましたが、私も小さいころから夏になれば遠足に、冬になればスケートによく遊びに行ったのを覚えていますし、今でも夏になればお昼御飯にお弁当を持って出かけたり、自然豊かで大好きな場所でもあります。少子高齢化が進み、子供が減り、人口が減ればどうしても利用者が減り、利用者が減ればお金もかけられず衰退してしまうのが現在どの自治体でも問題になっていることだと思います。大好きな市民の森公園であるからこそ荒れていくのは見たくはないし、より多くの人に利用してもらいたいと考えております。

 そこで、質問いたします。1つ目として、市民の森公園内にある公共施設の課題はどうか。

 2つ目として、市民の森公園内にある公共施設の利用状況はどうか。また、多くの市民に活用されていると考えているか。

 以上2点質問いたします。

o 議長(小林 隆利君)中村教育次長。

          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕

o 教育次長(中村 栄孝君)市民の森公園は、昭和44年、旧上田市におきます市制施行50周年記念事業の一環として公園を整備をしまして、キャンプ場を造成し、その後わしば山荘を建設、その後5カ年計画によりましてテニスコート、体育館などを建設をいたしました。

 まず、この課題でございますけれども、公園内の施設は、議員ご指摘のとおり、建築後48年を経過をしたわしば山荘を初めとして、ほとんどの施設が整備後30年以上経過をしており、いずれの施設も老朽化が顕著であることが最大の課題でございます。今年度と来年度におきましては、公園内のトイレにつきましては、大半が和式くみ取り方式でございましたことから、今年度はスケート場、わしば山荘のトイレを、来年度は体育館とこども広場のトイレを改修するよう計画をしてございます。また、公園の利用者からご要望がございましたこども広場の遊具等につきましても今年度リニューアル工事を進めております。こうしたことも踏まえまして、維持管理費は人件費を含めまして年間5,000万円を超える状況となっており、年々増加傾向にあること、また上田市スポーツ施設整備計画でお示しをしたとおり、わしば山荘やスケート場などの更新には多額の費用が見込まれることも大きな課題でございます。

 このほか、施設自体の課題ではございませんけれども、市民の森公園は主要地方道真田東部線から1キロメートル以上山側に入った場所に整備されておりまして、中心市街地から遠く、あわせて長入の集落を抜けて公園に至る

道路は幅員が狭いことからバスのすれ違いも困難な状況にあるなど、アクセス面も課題であると捉えております。

 次に、市民の森公園内にある公共施設の利用状況でございますが、平成29年度実績では施設全体で年間約6万9,000人の利用がございまして、過去10年間の平均では年間約7万2,000人の方々に利用いただいております。施設別では、スケート場、ゴーカート場の利用が多い状況でございまして、ここ数年の実績では、施設によって変動はございますが、全体的には横ばいの状況となっております。なお、今申し上げた利用者数は各施設の使用申請時の際の集計値でございまして、保育園や幼稚園、またご家族で公園を散策する方などのほか、地元で開催いただいております市民の森芸術祭など利用者数として把握できない方々も多くいらっしゃる状況でございます。

 次に、多くの市民に活用されているかというご質問でございますが、わしば山荘におきましては、毎年外国人技能実習生の研修のため50名を超える方々が約3週間ほど連泊されるほか、スポーツ少年団の夏合宿などにご利用いただいております。また、スケート場は上田市及び共同運営をします東御市の小学校のスケート教室、またキャンプ場は近隣の市町村や他県の方々にも利用されております。市民の森公園の施設は市民の皆様だけではなく、市内外の方々にもご利用いただいている状況でありますことから、先ほどの課題として触れましたアクセス面を考慮しても比較的多くの方々に活用されている施設であると考えております。

 以上でございます。

o 議長(小林 隆利君)中村議員の質問が終了しました。

 ここで15分間休憩といたします。

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