令和元年9月議会質疑応答

                     ◇                      

          午前10時30分   再開

o 議長(小林 隆利君)休憩前に引き続き会議を開きます。

                       ◇                      

 市政について

o 議長(小林 隆利君)次に、質問第19号、市政について、中村議員の質問を許します。中村議員。

          〔4番 中村 悠基君登壇〕

o 4番(中村 悠基君)通告に従い、まずは農業について、次に指定管理者制度についての2点について、いつもどおり是々非々にて質問してまいります。

 現在、日本全国の大半の自治体で、少子化や人口流出の影響を受けて人口が減少しております。人口減少は自治体の存続に直結することであり、上田市には移住交流推進課があることからもわかるとおり、市外からの移住者を積極的に取り入れていくことは、持続可能な上田市になるために重要なことでもあります。そして、ご存じのとおり上田市は東京まで新幹線で1時間半と交通の便がよく、山に囲まれ、自然が多く、災害も少なく、都心部から移住するには最適と言っても過言ではない場所に位置しております。

 例年、移住希望都道府県ランキングで上位に位置し、多くの移住者が来てくださる長野県ですが、移住希望の方々は何を望み、移住してくるのでしょうか。多くの理由が考えられますが、その一つの理由として、田舎生活に憧れて移住してくる人が多く存在します。移住者は、長野県でのんびりと暮らしながら、家庭菜園でとれたての新鮮な野菜を食べて暮らす、それが移住者の目指す理想の姿にもなっております。それら田舎暮らしの需要があることから、上田市では小さな畑と宿泊施設がセットになった滞在型農園クラインガルテンを現在建設中でもあります。

 しかし、実際移住者がいざ畑つきの戸建てを購入しようと思ったときに、農地を一緒に買えるのかといったら、農地には農地法による最低取得面積が設定されており、買えないのが現状であります。最低取得面積は、上田市の中では20アールから30アール、坪に換算いたしますと600から900坪と、合併の関係で少し幅もありますが、とても家庭菜園と呼べる大きさではありません。この下限の設定には、専業農家への農地の集約などの観点からも非常に重要な制度ではありますが、小さな畑で生産性の低い畑ほど現在余り、荒廃地化している現状を考えれば、規制の緩和も検討していかなければいけないのではないでしょうか。

 滞在型農園クラインガルテンでは移住者に農地を貸し与えることになりますが、実際の移住者には農業委員会が農地の取得に許可を与えていないという状況になってしまいます。農地の最低取得面積を変えることは、リスクももちろんありますので、しっかりと規制もした上で、下限の撤廃に取り組むべきと思います。

 そこで、質問いたします。1つ目として、農業委員会で定める農地の最低取得面積の根拠は何か。

 2つ目として、今後、農地の取得面積の下限を変える必要があると考えるが、見解はどうか。

 以上2点質問いたしまして、私の第1問といたします。

o 議長(小林 隆利君)農業委員会会長。

          〔農業委員会会長 柴﨑 義和君登壇〕

o 農業委員会会長(柴﨑 義和君)農業委員会会長の柴﨑義和と申します。農業委員会に関するご質問をいただきましたので、ご答弁させていただきます。

 農地を売買等により農地として居住権を取得する場合には、その農地を効率的に耕作できるかどうかの許可基準といたしまして最低経営面積の制限がございます。いわゆる下限面積が農地法で定められております。農地法による下限面積は、北海道では2ヘクタール、長野県を含む46府県では50アールと定められておりますが、各市町村農業委員会が農林水産省令で定める基準に従い、市町村の区域の全部または一部につきまして、別段の面積を定め、公示した場合につきまして、下限面積を変更することができます。

 上田市の農地の取得等に対する下限面積は、国が5年に1回調査いたします農業センサスの統計を基準とするとともに、地域の実情に合わせ、現在は地域ごとに30アールもしくは20アールと定めております。

 次に、農地の取得面積の下限面積を変更する考えはあるかの質問にご答弁させていただきます。上田市農業委員会では、農業委員及び農地利用最適化推進委員が毎年実施する農地パトロールの時期に合わせ、地域の実情を聞き取り調査するなど、その地域の下限面積が適切であるかどうか、検討しております。各委員の調査結果を踏まえ、市内7地域の地区審議会で協議を経て、最終的には農地委員会の総会で議案として審議を行い、下限面積の変更の可否について決定しております。

 本年度につきましては、現在、各地区審議会で検討、協議をしている最中でございます。議員ご指摘のとおり、都会等からの移住者が農業を始めてみたい、そのために下限面積を変更してほしいとの要望をいただいておりますので、県内他市や近隣町村等の例も参考にいたしまして、農地を取得するための下限面積の変更につきまして前向きに検討させていただきたいと考えております。

 以上です。

o 議長(小林 隆利君)中村議員。

          〔4番 中村 悠基君登壇〕

o 4番(中村 悠基君)大変前向きなご答弁をいただきまして、ありがとうございました。

 本当に取り組んでいっていただきたいという気持ちももちろんあるのですけれども、農業に従事する者といたしましては、専業農家に対して、それが邪魔になってはいけないという側面もありますので、そこら辺をしっかりと考えて、規制も取り入れていきながらやっていっていただきたいと思います。

 続きまして、現在、ニュースでも世間を大変騒がせております豚コレラについて質問してまいります。豚コレラを収束させるためには、国はもちろん県や市も本気になって対応しなければ手おくれになりかねませんが、国や県の対応は、現状後手に回っており、感染地域は拡大の一途をたどっております。豚コレラの感染が確認された養豚場では、飼育している豚の全頭処分を実施しなければならず、養豚農家にとっては大変な精神的負担になることは火を見るよりも明らかであります。

 上田市も他人事ではなく、もうすぐそこまで迫ってきている豚コレラに市もしっかりとした対応をしなければ、隣県及び全国に迷惑をかけることになり、ひいては日本の食料安定供給の面でも相当なマイナス効果が予想され、だからこそ積極的な行動と対応が求められております。

 そこで、質問いたします。1つ目として、感染地域が拡大中の豚コレラの上田市への影響はどの程度見込まれるか。

 2つ目として、野生イノシシの動態を知るためにも有害駆除の頭数を把握することも重要と考えるが、対前年同期比でイノシシの駆除頭数の増減はどうか。

 以上2点、質問いたします。

o 議長(小林 隆利君)工藤農林部長。

          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕

o 農林部長(工藤 秀樹君)豚コレラの影響をどの程度想定しているかとのご質問でございます。

 豚コレラの発生状況、野生イノシシへの感染状況並びに支援策につきましては、一昨日の西沢逸郎議員の一般質問に対しまして、発生の経緯や対策等についてご答弁申し上げました内容のとおりでございますので、ここでは割愛させていただきたいと思います。

 ご質問の上田市への影響でございますが、まず県内の状況について申し上げます。長野県では、今月から農政部園芸畜産課に家畜防疫対策室を設置し、職員を6人から12人体制に倍増して防疫体制の強化を図っているところでございます。

 また、8月には野生イノシシの豚コレラ検査指針を策定し、これまで調査対象地域とされていました木曽地域と木曽地域以外で豚コレラの感染が確認された地点から半径10キロメートル圏内について検査を実施していましたが、新たに特別警戒指定区域を設定し、監視を強化しているところでございます。特別警戒指定区域は、これまでの調査対象区域の外縁部で、極めて重要な区域を県独自に指定した5つの地域で、具体的には諏訪地域、上伊那地域、南信州地域、松本地域、上田地域でございます。上田地域では、長和町がその対象地域となっております。さらに、野生イノシシの豚コレラ検査対策とは別に、野生イノシシを対象とした経口ワクチン緊急散布区域を定めておりまして、具体的には諏訪地域、上伊那地域、南信州地域、木曽地域、松本地域となっております。

 ただいま申し上げましたとおり、今のところ、上田市は県の指定する野生イノシシの豚コレラ検査特別警戒指定区域及び野生イノシシへの経口ワクチン散布地域のいずれにも含まれていない状況でございますが、予断を許さない状況と認識しているところでございます。

 市内には、県内でも有数な規模の養豚農家を含め3農場あり、万が一発生した場合は、大変甚大な被害が想定されます。野生イノシシの行動をコントロールできないことや、他の鳥獣による拡散防止対策が必要であることから、防護柵、防鳥ネット、消毒ゲートなどの設置補助を行い、市内への感染防止策を進め、畜産業の保護並びに防疫体制の充実強化に引き続き努めてまいります。

 次に、野生イノシシの駆除頭数についてのご質問でございます。まず、過去3年間のイノシシの駆除頭数を申し上げますと、平成28年度は226頭、平成29年度は285頭、平成30年度は356頭と増加傾向にございます。

 次に、今年度の駆除頭数でございますが、7月末時点で144頭となっておりまして、昨年度の同時期の156頭と比較しますと12頭少ない状況ではございますが、前年比約92%であることから、特に大きな減少ではないと考えております。

 駆除頭数が少なければ、イノシシが山林内で豚コレラに感染し、死亡しているのではないかとの疑いも考えられますが、現在までに猟友会員などから死亡個体を発見したという報告は入ってきておりません。

 また、道路脇などで死亡しているイノシシを発見した場合につきましては、必ず県へ報告し、検査を実施することになっておりまして、市内ではことし4月以降2件の事例がございましたが、いずれも結果は陰性との報告を受けております。

 以上でございます。

o 議長(小林 隆利君)中村議員。

          〔4番 中村 悠基君登壇〕

o 4番(中村 悠基君)ただいまのご答弁の中で、まだ上田市にはそれほど影響がないのではないかというところでございますけれども、本当に発生してからでは手おくれになってしまうことでもありますので、猟友会の方々にも情報の共有をしながら、未然に防ぐという気持ちでやっていただければと思います。

 続きまして、定番になりつつありますが、スーパーシティに関連し、今回は農業のAI、ICT、IoTなど、最先端技術関連の質問をしてまいります。 現在、国では最先端機械を導入し、生産性を上げ、費用を抑えた、もうかる農業、いわゆるスマート農業こそ、これからの時代を生き抜くために必要との趣旨で、開発費や取り組みに多くの補助をしております。しかし、開発現場ではなく、実際の農産物の生産現場に行きますと、最先端の機械は導入費用も高く、さらにどれが今後続いていくサービスなのかもわからず、どこの会社のどの製品を買っていいかわからず、結局導入まで至らないという農家が多く存在しております。

 どの商品がいいかの部分は、市ではどうにかできる部分ではありませんが、導入費用に対して補助することは、この地域の今後の農業の行き先を占うことにもつながる重要な判断となります。市長は、スピード感を持って先頭に立って、おくれることのないようにとの発言をよくされます。しかし、一昨日の飯島議員の質問に都市建設部長からは、しきりに注視していくとの答弁をされておりました。これから持続可能な上田市をつくっていくためには、我々こそが注視される側にならなければならず、それこそが先頭に立つという意味ではないでしょうか。そのためにも農業分野においても、担い手不足、後継者問題など、あらゆる問題を解決する糸口になります最先端技術の導入を推進する必要があり、一番生産現場で導入の壁になっている導入費用に対しての補助をすることで、上田市の農業を加速させることができるはずです。

 また、秋の臨時国会には、改めてスーパーシティ法案が提出される予定になっており、上田市でも政策研究センターの最重点研究課題としていただきました。スーパーシティ特区に選定されるためにも、直接の項目には入っていない農業ではありますが、農業分野でも、より具体的に行動することで、国へのアピールになることは間違いありません。現在、農業分野には数々の補助金などもありますが、今こそ最先端技術へのお金の集中と選択をして補助をしていくべきと考えます。

 そこで、質問いたします。農業のAIやIoT活用に対する上田市の現状はどうか。また、導入に当たり補助をする考えはあるか。

 以上、質問いたします。

o 議長(小林 隆利君)工藤農林部長。

          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕

o 農林部長(工藤 秀樹君)農業におけるAIやIoT活用についてご答弁申し上げます。

 農業用ロボット技術やAI、IoTなどの先端技術を活用したスマート農業の推進は、農業の生産性向上や農作業の省力化につながり、農業従事者の減少が進む現況に鑑み、国は積極的に推進をしております。市内では、自動直進する田植え機や水温や水位などの情報が得られる水田センサーなどの導入がございますが、さまざまな機種があることや費用対効果の判断が難しい側面もあり、導入事例はまだ少ない状況にあるものと思われます。

 市といたしましては、スマート農業の推進は、農作業の省力、軽労化や生産性向上につながるなど、有効なものと認識しております。また、若者や女性が抱く重労働で休日が少ないなどの農業イメージが変わり、農業への参入の可能性が高まるものと期待もしております。

 農林水産省におきましても、来年度予算の概算要求にスマート農業の推進を柱としておりまして、市といたしましては、既存の水田農業における補助事業での支援もございますが、導入ニーズやスマート農業のさまざまな形態がある中で、どのような形が効果的なのかなどの調査研究を行いながら、スマート農業導入のインセンティブとなるような支援策等についても、国の動向を踏まえつつ、JA、県農業改良普及センターなどとも連携しながら検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

o 議長(小林 隆利君)中村議員。

          〔4番 中村 悠基君登壇〕

o 4番(中村 悠基君)ぜひ上田市が全国でも先頭に立って走っていかれるような、農業をつくっていかれるような補助もぜひ考慮していただきたいと思います。

 続きまして、今議会で池田議員も質問されておりましたが、同じ会派として、違う視点で指定管理者制度について質問してまいりたいと思います。指定管理者制度の意義には、利用時間の延長など施設運営面でのサービス向上による利用者の利便性の向上、管理運営経費の削減による施設を所有する地方公共団体の負担の軽減などが挙げられるかと思いますが、1つ目として、そもそも上田市は指定管理者制度を活用してきた実績がある中で、どのようなメリットとデメリットがあると考え、指定管理者制度を活用しているのか。

 2つ目として、指定管理者制度は指定管理料で払う額が上田市の直営よりも安くなっていることが重要と考えるが、収益事業のある施設の中で、指定管理料として支払う金額と市の町営として運営する場合を比較した際に、どの程度の経費削減ができているのか。市の直営のほうが安い場合は市の直営に戻す考えはあるか。

 以上2点、お伺いいたします。

o 議長(小林 隆利君)中村総務部長。

          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕

o 総務部長(中村 栄孝君)指定管理制度についてご質問いただきました。

 まず、指定管理者制度のメリット、デメリットでございますが、指定管理者制度のメリットといたしましては、民間事業者のノウハウを活用することで、利用者サービスの向上や利用者の増加等が期待できることや、公募による指定管理者の選定を行うことで競争原理が働き、管理コストの縮減による市の財政負担の軽減が図られるとともに、行政組織のスリム化や人員の適正な配置などが期待できることでございます。

 一方、デメリットといたしましては、指定期間が5年あるいは3年など一定の期間で終了することから、短期間で指定管理者が交代することにより、運営ノウハウが蓄積されないおそれや雇用の継続性が担保されないこと、人件費抑制などのコスト削減ばかり着目した結果によって、利用者サービスの質の低下が懸念されることがあることなどでございます。

 公の施設へ指定管理者制度を導入する場合、上田市公の施設に係る指定管理者制度導入の基本的な考え方に定めております管理運営経費の削減を図れるかという観点から、直営で継続した場合と指定管理者制度を導入した場合のそれぞれの収支見込みを比較し、判断することとなります。また、既に指定管理者制度を導入している施設におきましても、毎年度モニタリング評価を行う中で、施設所管課におきまして前年度の収支り状況や事業活動を把握、分析して、施設運営が指定管理者制度により適切に運用されているかを確認しております。

 さらに、指定管理期間の更新を迎えるタイミングでは、施設所管課において引き続き指定管理者制度による管理運営を継続するかどうかについて、収支に限らず利用者へ提供するサービスの質や自主事業による効果など多角的に検討するとともに、審議会でございます上田市公の施設指定管理者候補者選定委員会において、これまでの運営状況や市の方針の妥当性についてご審議をいただき、指定管理者を募集している状況でございます。

 このようにさまざまな機会において指定管理施設の収支状況を検証して、その施設の最適な運営手法を用いて管理運営をしておるところでございます。

 指定管理施設の管理運営手法を直営に戻すことで経費削減が図られることは検討理由の大きな要因の一つではございますが、直営に戻す場合には、これまで提供されていた利用者サービス水準が維持されるかどうか、施設へ配置する職員の確保が可能かなどさまざまな観点から総合的に判断し、必要に応じて直営に戻すべきと考えております。

 以上でございます。

o 議長(小林 隆利君)中村議員。

          〔4番 中村 悠基君登壇〕

o 4番(中村 悠基君)ご答弁の中にありました直営に戻すということを考えるためにも、最初の指定管理者制度を導入するときに考慮いたしました指定管理者制度へ払う金額というものをしっかりと後々まで検討できるように、そこら辺の金額の把握をしていっていただきたいと思います。

 続きまして、9月定例会招集日の上田市地域振興事業団の説明でもありましたが、事業団の寄附について質問してまいります。

 1つ目として、上田市の指定管理者である上田市地域振興事業団から上田市菅平高原キャンプ地誘致委員会へ平成29年度に1,000万円、平成30年度に1,200万円の寄附が行われておりますが、お金の流れとして、市から指定管理料で指定管理者に入ったお金が議会の議決を経ずに指定管理者から寄附させることは正しいと言えるのか。私が抱いた疑問でありますが、これについて少し考えていきたいと思います。

 まず、事業団がどんな組織なのか。なぜこの寄附を問題と考えるのかについて、幾つか申し上げます。1つ目の前提として、一般財団法人上田市地域振興事業団の理事長は上田市の副市長が務めており、事業団の法人会計からは役員報酬をもらっておらず、その業務に対する対価は市から出ており、事業団はほぼ官営と言える組織であること。2つ目として、地方自治法により専決予算以外の予算について、原則行政は議会の議決を経る必要があること。3つ目として、事業団等第三者組織を挟むと、その先のお金の使途については市の把握義務がなくなり、議会として把握することが困難になること。4つ目として、事業団は現在収益事業に関して利益を出せる状態になく、赤字分について多額の指定管理料で補填されている現状があることなどを考慮いたしますと、本来であれば議会の議決を経た上で、上田市から直接キャンプ地誘致委員会へお金を出すべきであり、わざわざ事業団を間に挟む必要があるのか。また、民間団体であれば収益事業で赤字の状態で寄附することを市は納得できるのか。それであれば、その分、指定管理料を減らすべきではないかとの疑問が出てまいります。

 そこで、先ほどの疑問とあわせて、もう一つ、市には把握義務はありませんが、市はキャンプ地誘致委員会でどのようなことに事業費を支出したか把握しているか。市民から行政の監視の役割を任されている議員という立場である私は、率先垂範して行動する立場であり、以上2点質問いたします。

o 議長(小林 隆利君)柳原政策企画部長。

          〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕

o 政策企画部長(柳原 渉君)地域振興事業団の寄附について、何点かご質問いただきました。

 まず最初に、地域振興事業団の概要について、再度説明を申し上げます。一般財団法人上田市地域振興事業団は地域社会の発展に寄与することを目的としておりまして、行う事業として、定款に、地方公共団体等が設置する公共施設の受託管理、情報処理等に関する受託事業、地域振興事業及び都市との交流事業等が位置づけられております。

 事業団の事業活動収入の主なものは、指定管理業務に伴う指定管理収入、事業収入のほか、マルチメディア情報センターの地域情報、ネットワーク管理業務や行政情報処理センターの行政情報処理業務といった受託事業等も財源として経営されております。

 上田市における指定管理料につきましては、指定管理者からその年度に係る事業計画書、収支予算書により必要額を明示させ、市と指定管理者双方での協議のもと適正な算定を行いまして、市議会における予算の議決を経て会計年度ごと協定を締結し、予算執行しております。これは事業団についても同様でございます。

 事業団では、公益目的のため事業を安定させ、継続的な事業運営を行っていくために、一般企業と同様に経費の節減、収入増によって利益を生み出せるよう事業経営を行っておりまして、こうした経営努力により生み出された剰余金をもとに、これまで上田市への寄附を行ってきた経過もございます。一例を申し上げますと、事業団から市への寄附として、平成24年度には、一般財団法人へ移行するのに伴う残余財産の2億円、平成27年度には公益目的支出計画に基づく残余財産に当たる1億8,000万円を受納してきております。

 ご質問の上田市菅平高原キャンプ地誘致委員会に対する寄附でございますが、誘致委員会が誘致したイタリアナショナルチームは、ラグビーワールドカップ2019日本大会に向けまして、菅平高原を中心に事前のトレーニングキャンプを実施したところでありまして、事業団では、上田市が官民挙げて受け入れていることに賛同するとともに、定款に定めます事業の一つである地域振興事業として、法人管理会計より平成29年度、30年度の2カ年で2,200万円の寄附が行われたところであります。この寄附に当たりましては、経営努力によって生み出された剰余金の中から支出されまして、いわゆる事業団の定款の定めによる理事会の承認等所定の手続を経ており、問題はないと考えているところであります。

 事業団は極めて公共的性格を有しておりますので、他の民間事業者に負けない経営を求められております。地域住民の健康福祉の増進や地域振興、都市との交流事業を引き続き行っていただくとともに、自主財源の確保や、さらなる経費節減を図り、健全財政を維持しながら地域社会の発展に寄与していただきたいと考えております。

 市といたしましても、適切な施設の管理運営を図るため、各施設所管課において毎年モニタリング評価を行うことで経営状況を把握するとともに、指定管理料を含めた施設の効率的、効果的な維持管理が図れるよう、指定管理者との連携を強化してまいりたいと考えております。

 引き続きまして、寄附した後の用途を把握しているかというご質問でございます。誘致委員会の支出に関しましては、当該委員会には上田市も理事として参画しております。ポスターやタペストリー等の作製による啓発、広報活動、またイタリアラグビー連盟役員の視察受け入れ対応、それから渡航費やイタリアチームへの誘致費負担金として支出されていると把握しているところでございます。

 以上でございます。

o 議長(小林 隆利君)中村議員。

          〔4番 中村 悠基君登壇〕

o 4番(中村 悠基君)ただいまご答弁いただきました中で、2点について再質問させていただきます。

 そもそも私といたしましても、誘致委員会へお金を出すことは全然問題ではなく、市から直接行くのであれば問題ないと思うのですけれども、それが地域振興事業団を通していることに問題を感じているところであります。

 そして、先ほどのご答弁の中では、予算書を提出して、しっかりと議会での議決を経ているということでございましたけれども、予算書の提出があったのが6月議会のときでありまして、予算の議決をする3月議会においては、まだ事業団の予算書については手元にない状況であり、予算書を見ての議決というものができていない状況である中で、予算書は、例えば今年度であれば、令和元年の4月1日から令和2年の3月31日までの予算であれば、その議決を経る前に予算書の提出が必要かと思いますけれども、それは可能なのかどうなのか。

 そして、もう一点といたしまして、民間努力で捻出した資金により寄附をしているとのご答弁でありましたけれども、原油価格の高騰などいろいろな面で価格が高騰した際には、議会での補正予算でさらにお金を出しているという側面もあります。その中で、果たして本当に民間努力により生み出しているお金であると言えるのか。増大した部分に関しては指定管理料がふえていくものであり、民間努力をしているとは受け取れないところがあります。そういった面を踏まえますと、民間努力と言えないのではないのかと思いますが、見解はどうか。

 2点質問いたします。

o 議長(小林 隆利君)柳原政策企画部長。

          〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕

o 政策企画部長(柳原 渉君)再質問いただきました。

 まず、事業団の予算書を早く出せないのかというご質問でございます。指定管理料につきましては、3月の定例会において当初予算としてご議決をいただいているということでございまして、その指定管理料につきましても、先ほども答弁申し上げましたが、各課においてモニタリングの評価を受け、適正な指定管理料として算定したものを議会に提出させていただき、ご議決をいただいているということでございます。

 それに対しまして、事業団の予算書を早くというご質問でございますが、今回の6月定例会におきまして、事業計画書、また予算につきまして報告させているという形でございます。本来であれば、議員おっしゃるような形ができればよろしいかと思いますが、手続上、また私どもの予算の審議に提出の関係で、そういったことについては、現在のところ無理ではないか、できないと考えているところでございます。

 それから、民間努力により生み出されているのかということでございます。今回のそれぞれの事業団の経営に当たりましては、約1億2,000万円ほどの、30年度でございますが、次期の繰り越し、いわゆる剰余金が出てございます。全体では剰余金が出ておりますけれども、それぞれの施設につきましては、赤字の施設もあれば、黒字の施設もあるという形でございます。赤字の施設につきましては、それぞれの施設の剰余金の中から支出して補填している。また、黒字につきましては、それぞれの施設の経営努力ということで利益を積み立て、もしリスクがあれば、そこからまた補填するというようなことで、全体の事業団の運営がなされているということでございます。私ども市といたしましては、事業団の経営努力の中で運営されており、そういった中で資金の運用がなされているという解釈でいるところでございます。

 以上でございます。

o 議長(小林 隆利君)中村議員。

          〔4番 中村 悠基君登壇〕

o 4番(中村 悠基君)今、予算書を早く出すことについては難しいということだったので、僕らが議員という立場で予算書を見れないのであれば、ぜひ市の側でしっかりと見ていただきまして、そしてこの地域振興事業団もこれからこの上田市を発展させていくためにはなくてはならない存在かと思っております。その地域振興事業団が稼げて、上田市からの指定管理料が少しでも少なくなるように努力していっていただきたいと思います。

 続きまして、財政の面から指定管理者制度を見たときに、指定管理料を減らして利益の上がる施設にしていくことは非常に重要なことであります。指定管理者制度のメリットの一つであります民間の力の活用という面でも、指定管理者を公募している施設であれば、多くの事業者に募集していることを知らせる必要があり、募集期間を長くとることにより認知度も上がり、新規事業者に積極的に応募してもらうことができるのではないでしょうか。

 さらに、新規参入希望者がふえることで、既存の指定管理者へもよりよいサービスを展開しようという思考が働くのではないでしょうか。また、市役所職員が退職後に指定管理業者に就職することもあるかと思いますが、活発な経済活動を行い、収益を上げるということを考えたときに、収益事業以外であれば問題ございませんが、収益事業を担う指定管理者については、市職員のOBよりも民間の人材を積極的に採用してもらったほうが、収益性を上げるという面ではプラスだと考えます。

 そこで、質問いたします。1つ目として、指定管理業者の中に市のOBはどの程度いるか、市は把握しているか。

 2つ目として、指定管理者の募集はどのような募集方法をとっているか。広く民間事業者に知らせているか。また、募集期間はどの程度とっているか。

 以上2点質問いたしまして、私の最後の質問といたします。

o 議長(小林 隆利君)中村総務部長。

          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕

o 総務部長(中村 栄孝君)市の職員が退職後、どのような職務につくかということは、本人の自由によるものでございますが、退職した職員と公務とのかかわりによって、公務の適正な執行及び住民の信頼の確保に支障が出ないように、上田市職員の退職管理に対する条例におきまして一定の義務を課しているところでございます。

 この条例においては、部長級または課長級の職員であった者は、退職後2年間、営利企業等の地位についた場合は、速やかに再就職情報を市へ届け出なければならないということとされております。こうしたことから、この届け出があったものにつきましては、市としましても再就職先や再就職先における地位などを把握しているところでございます。指定管理者となっている事業所に勤務している市職員のOBの数でございますが、上田市地域振興事業団に4人、上田地域シルバー人材センターに4人、上田市社会福祉協議会に5人が現在在職しております。しかしながら、条例の規定によって、この届け出の対象とならない者の再就職情報までは把握しておらず、これ以上のものについては把握していない状況でございます。

 次に、指定管理者の募集方法についてのご質問でございますが、上田市公の施設に係る指定管理者制度導入の基本的な考え方に基づいて、原則公募によって候補者を選定することとしておりますが、特例として公の施設の性格、規模、機能、設置経過等を考慮し、公募することが適さないと認められるときは公募によらず、公の施設の設置目的を効率的かつ効果的に達成することが思慮される法人、その他の団体を指定管理者候補者として選定できることとしております。

 次に、募集の際の周知方法等でございますが、指定管理者を募集する際は、あらかじめ「広報うえだ」において募集の概要をお知らせするとともに、市のホームページにおきましても募集要項や仕様書、関係資料のほか、申請に必要な関係様式などもあわせて掲載し、周知を行っているところでございます。また、必要に応じて事前説明会や現地見学会を開催して、施設の管理運営に関する情報の提供を行っております。

 続いて、募集期間についてのご質問でございますけれども、民間事業者等が指定管理者の募集に応募するためには、事業計画や収支計画などの資料作成、各種証明書等をそろえる検討の準備に多くの時間と労力が費やされておりますので、今年度の例を申し上げますと、指定管理者の募集は7月25日から8月30日までの37日間を募集期間に設定いたしました。指定管理者を募集するまでのプロセスには、庁内での合意形成、審議会での審議などを経ておりまして、審議会では前年度までの事業に対するモニタリング評価結果などもあわせて報告していることから、募集開始時期がある程度限定されてしまいますが、制度の趣旨を踏まえまして、可能な限り募集期間を確保できるように努めてまいります。

 以上でございます。

o 議長(小林 隆利君)中村議員の質問が終了しました。

 ここで15分間休憩といたします。

 

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