令和2年12月議会(スーパーシティ構想)

中村悠基

通告に従い、上田市の成長戦略について、いつもどおり是々非々にて、まずは政策研究センターについて質問してまいります。

 政策研究センターは、市のウェブサイトにも記載があるとおり、地域の特色、実情に即した地方創生の実現に向けた独自政策の企画立案、提言能力の向上を目的に、市長直轄の組織として設置されました。そして、政策研究センターの最重要課題の一つとして、人口減少社会に対応した最先端技術導入による住民サービスの向上と産業振興があり、この1年半の期間、取り組んでこられたかと思います。その中で、今年度からデジタル専門人材派遣制度を活用し、NTT東日本から職員を1人派遣していただいております。せっかくNTT東日本という大きな会社から、専門的な人材に上田市に来ていただいているのなら、ぜひNTT東日本との提携や連携を実現していただきたいところであります。また、それと同時に、出向いただいている職員には大いに活躍していただくことを期待するところであり、市のほかの職員には、ぜひ専門的な見識をお持ちの方に来ていただいているのだから、言葉は少し悪いですが、使い倒す勢いで相談に足を運んでいただきたいと思います。

 それでは、質問いたします。

1つ目として、国のデジタル専門人材派遣制度を活用して、スマートシティ化推進マネジャーが政策研究センターに配属されているが、どのような成果を上げているか。また、費用対効果はどうか。

 2つ目として、政策研究センターの成果に対し費用対効果はどうか。以上2点お尋ねし、私の第1問といたします。

吉澤政策研究センター長。

まず、スマートシティ化推進マネジャーの成果、費用対効果についてお答え申し上げます。

 政策研究センターでは、議員から先ほどご紹介がございましたように、今年度、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)様からスマートシティ化推進マネジャーとして専門人材の派遣を受けており、その知見や人的ネットワークは、上田市のスマートシティ化に向けた取組の様々な場面において生かされているものと認識しております。

 まず、上田市スマートシティ化推進計画の策定に当たって各種団体との意見交換を実施しておりますが、その中でスマートシティ化推進マネジャーからは、他の地域での取組事例の紹介や、課題解決に向けたICTの活用方法等の提案をいただいております。また、児童生徒の1人1台端末の実現を目指すGIGAスクール構想では、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う国の補正予算によって対応を前倒しすることになりましたが、市内小中学校の通信環境の整備に向け、技術的、専門的な見地から助言をいただくなど、その知見が施策の検討に十分生かされております。

 さらに、派遣元企業からは、本年春の新型コロナウイルスの感染拡大時において、市職員の在宅勤務の実施に当たってのテレワークシステムの提供や、休校時の小学生の学習支援クラウドシステムの無償提供をいただいており、今後に向けましても同社において行政事務の効率化につながる技術や、スマート農業等の実証実験に向けた検討も進めていただいているところでございます。

 これまで申し上げましたように、デジタル専門人材を受け入れることによりまして、スマートシティ化に向け既に様々な効果、成果が出てきておりますが、専門人材の受入れに要する経費に対しては一定の特別交付税措置が受けられることになっており、制度面でも財政的な配慮がなされております。今後も引き続き、上田市のスマートシティ化に向けて、計画策定と実証事業検討の両面にわたって、デジタル専門人材が有する知見やネットワークを最大限活用してまいりたいと考えております。

 次に、政策研究センターの成果に関してご質問いただいております。政策研究センターでは、昨年4月の設置以来、AI、IoT等の先端技術の活用に関する研究を最優先に取り組むべき研究テーマに位置づけて調査研究事業に取り組んできております。

 本年3月に、昨年度のプロジェクトチームにおける検討状況や、先進地への視察、国の関係省庁との情報交換を行った結果を報告書としてまとめて市長に提言するとともに、市議会の全員協議会でもご説明させていただいております。昨年度の報告書では、上田市の取組の方向性として、スマートシティ化を目指し、段階的に先端技術を導入していくこととし、今年度は令和3年度から7年度までを計画期間とするスマートシティ化推進計画を策定することとともに、可能なところから実証実験の実施や技術導入を図ることの2つを取組の柱と位置づけたところでございます。

 今年度の調査研究事業の取組状況ですが、まずスマートシティ化推進計画の策定に関しては、庁内連携体制により市民サービスの向上や庁内業務の改善につながるICTの活用方法を検討するとともに、産業界など各分野の団体の皆様との間で40回を超える意見交換を行ってきており、その中で上田市の現状と課題を把握した上で、課題解決に向けたAIやIoT等の活用可能性を検討してきております。

 このような検討を踏まえて策定作業を進めている計画案は、今のところ基本的な視点として、市民生活の質の向上や地域企業の技術の活用、そして人・企業の誘致を掲げることとし、これらに基づいて市民サービスの向上や行政事務の効率化とともに、地域課題の解決等につながる個別施策を盛り込むこととしております。

 現在、市の審議会の一つである上田市地域情報化推進委員会において、計画案についてご審議いただいているところですが、この間のコロナ禍の中で、我が国全体のデジタル化の遅れが浮き彫りとなり、デジタル庁創設の方向性が示されるなど状況に変化が生じてきていることから、それらの動向も踏まえた計画としていきたいと考えております。

 次に、計画策定と並行して進めております地域の課題解決に向けた実証事業についてですが、上田市にゆかりのある企業が開発しているQRコード決済システムによる公共交通キャッシュレス化推進プロジェクトに着手したところです。このプロジェクトには、市内のバス事業者、鉄道事業者、商工会議所、地元金融機関とともに、上田市もメンバーとして参画しており、利用者の利便性向上と交通事業者の生産性向上を目的として、先端技術を活用したデータ収集と分析を行っていくことになります。

 昨年度から開始した先端技術の活用に関する研究の取組状況は以上のとおりですが、現在策定中の計画に基づく形で、来年度からは本格的な実証事業の導入や、市民向けのサービス提供に取り組んでいくことになります。

 スマートシティ化に向けた取組は、部局間の連携強化とともに地域企業や支援機関等との官民連携体制で進めていくことが不可欠ですので、政策研究センターとしては、デジタル専門人材による技術的な知見の共有や国、県等の補助制度の有効活用促進などとともに、市長直轄組織として総合調整にも意欲的に取り組むことで、担当部局の事業実施を後押しできるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

中村議員

ただいまご答弁いただきまして、上田市にとっても費用対効果はかなり高いのではないのかというご答弁でありましたけれども、私としても、上田市にとっても本当に必要な組織であり、今一番と言ってもあれですが、期待されている組織だと思っておりますので、ぜひ目に見える形で、大きな何かプロジェクトなどがあると大変分かりやすくていいのかなと個人的には思いました。引き続き取り組んでいただければと思います。

 続いて、市長の政治姿勢について質問してまいります。市長の話を聞いておりますと、シビックプライドもさることながら、チャレンジという言葉が非常に多く聞かれます。土屋市長が誕生してから今までの市議会本会議の中では、私が数えた限りでは33回、チャレンジという言葉が出てきました。このたび採択された日本遺産は、1度落ちても諦めることをしなかった職員のチャレンジにより得た結果であり、称賛されるべきことと思います。しかし、市長がチャレンジを強調する割には、今の上田市を見ていても、どこにチャレンジしているのか疑問に思うところもあります。簡単なことへのチャレンジはチャレンジではなく、困難なことへのチャレンジこそが、今市長が必要と考えていることではないでしょうか。そして、難しいことにチャレンジしていく姿勢を、市長が先頭に立って市民に見せることは、少なからず我々や市民の希望にもなることだと思います。

 しかし、市長は1度チャレンジすると言ったスーパーシティ特区への応募も、時間がないからと諦めてしまいました。会派でも何度か提案させていただきましたが、スーパーシティ特区への公募は現在100以上の自治体が手を挙げ、その中から全国で5自治体のみ選定されること、特区認定後は住民投票による住民合意が必要なことなど、本当に目まいを覚えるほどハードルの高いことだと思っております。だからこそチャレンジすることが重要で、採択されなくなったって正直いいと個人的には思っております。採択される、されないは別として、やると言ったことを、途中で理由をつけて諦める姿勢を市民に見せることを私は許せません。多くの市民に、結局行政は、結局上田市は、そんなものだと思われてしまったことが悔しくてなりません。

 そこで、質問いたします。

市長の政治姿勢にはチャレンジすることは必要であるか、それとも難しい課題に対してはチャレンジする前に断念することも必要と考えるか、お聞きいたします。

土屋市長

市の成長戦略に関しまして幾つか質問をいただきました。

 市長に就任して以来、公約に掲げました上田再構築プランの実現を目指し、改革すべきは改革し、継続すべきものはさらに磨き上げ充実させるという考えの下、直面する様々な課題に対し誠実に市民の皆様と向き合い、市民目線に立ち、丁寧かつ積極果敢に取り組んでいるところであります。

 また、ネクストステージは希望の時代と信じ、チャンスがあれば果敢に挑戦する気持ちを自分自身が持ちながら、折に触れ職員に対しても、失敗を恐れずチャレンジすることの大切さを伝えているところであります。今般のコロナ禍も契機といたしまして、IoT、AIといった先進技術やデジタルツールを有効に活用し、市民サービスの向上、市役所業務の改善、地域課題の解決と産業振興を図ることが、これからの市の行政やまちづくりに待ったなしで求められておりますので、まさにスピード感を重視したチャレンジが必要であると考えております。

 こうした中、先進技術やデジタルツールの有効活用により、目指すまちの姿として注目されているのが、既に全国各地の先進自治体が取り組んできているスマートシティと、国が国家戦略特区制度を活用して推進しようとしているスーパーシティでございます。この両制度に関しましては、昨年度、政策研究センターを中心に庁内プロジェクトチームにおいて検討を行い、その結果、スーパーシティで必要となる5つ以上のサービス領域について、サービスの同時提供に向けた事業の組立てが難しいことから、市といたしましてはスマートシティを目指すことと判断いたしまして、現在計画を策定しているところであります。ご理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。

中村悠基

市長もこれから、いろんなことに多分チャレンジしていかなければならない時代になっていくかと思いますので、ぜひスピード感を持ってと今言われたかと思うのですけれども、そのスピード感が今一番足りないのではないのかなと感じているところでありますので、スピード感を持ってぜひチャレンジしていっていただければと思います。

 続きまして、次の質問に移ります。安倍政権が終わり、新しい菅政権が誕生してから、河野行革担大臣による本人確認としての押印廃止やデジタル庁ができることになり、長野県でもDX戦略の実施に動くなど、今まで以上にデジタル化が進むことが容易に想像でき、我々の会派としてそれを推し進めるべきと市にも提言してまいりました。

 そして、インターネットの普及により情報が容易に入手できる時代になり、上田市も県内の自治体との競争から、全国の自治体との競争をしなければならない時代へと変わってまいりました。その一つの例として、菅総理大臣が総務大臣のときにつくったふるさと納税制度を見れば、税収を上げるために日本の全ての自治体との税収争奪合戦であり、これらから分かるとおり、我々は日本各地の他自治体と競争し勝たなければならず、その切磋琢磨こそが我々を成長させる原動力であると考えております。

 そこで、質問いたします。

市長公約の中に、IoTやAI時代を勝ち抜き、上田市に根づく超先進産業の集積地を目指すとあるが、特定の地方自治体に対して勝ち抜くことを想定しているのか。

市長に就任して以降、IoTやAI時代を勝ち抜くためには、どのようなことが必要であるかを具体的に考えた上で政策を進めてきたか。または、今後進めていく予定はあるか、質問いたします。

土屋市長

近年、IoT、AIといった先進技術を産業や社会生活の様々な場面で活用する取組が進められており、経済発展と社会的課題の解決を両立していく新たな、いわゆるSociety5.0(超スマート社会)が提唱されるなど、イノベーションの進展と広がりにより社会経済が大きく変革していくことが予想されます。

 私の公約の勝ち抜くの意味するところは、地域間競争の中で、こうした潮流に後れをとってはならない。また、先進技術をまちづくりや産業振興に融合させて新たな価値を生み出すという考えを込めているものであり、特定の地方自治体に対して勝ち抜くという意図を込めているものではございません。

 私といたしましては、公約実現に向け上田市の特色、あるいは課題、あるいは卓越性、様々な場面に応じた独自の政策立案を行っていくために、昨年度、自治体シンクタンクである政策研究センターを設置したところであります。そして、センターを中心に最先端技術を活用した地域課題解決と産業振興に関して、国、先進自治体、ICT企業などからの情報収集とともに、庁内プロジェクトチームによる検討を行い、センターからの研究報告に基づきまして、先ほども答弁いたしましたように、市として段階的に最先端技術の活用、導入を図るスマートシティを目指すことといたしました。

 また、民間の知見も活用し、スマートシティ化の取組の方向性を定め推進していく必要性があることから、今年度から先ほどもお話ありましたように、デジタル専門人材派遣制度の活用とスマートシティ化推進計画の策定を決定し、現在、外部有識者等から成る上田市地域情報化推進委員会において、計画の内容をご審議いただいているところであります。

 現在、このスマートシティ化推進計画に関しましては、3つある基本方針の一つとして、スマートシティ化への挑戦と転換という柱を設定し、その下にAI、IoTを利活用した安全安心な地域づくりや生産性向上、産業振興等の具体的な施策を位置づける方向で審議が進んでおりまして、今後はこの計画に沿う形でスマートシティ化を強力に推進してまいりますので、ご理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

中村悠基

再質問させていただきます。

 今ほどのご答弁の中では、市長の公約の中で掲げている超先進産業の集積地を目指すというのは、この地域の産業と融合させていくということだったのですけれども、この超先進産業というのはそもそも融合させたところで、今この現在の超先進産業であるはずだと思うのですけれども、そこら辺は超先進産業の集積地というのは考えていないのか、それとも本当にその超先進産業というものの集積地は目指すのかどうなのかというところをもう一度お聞かせいただければと思います。

土屋市長

超先進産業、これについては様々捉え方があると思うのですけれども、現在スマートシティ化の推進計画の中でも、先ほど申しました3つの柱もありますし、あるいは現在それぞれある、例えば公共交通とか防災インフラ、あるいは滞在型の観光とか、あるいは商工業の振興、あるいはスマート農業とか林業、子育て、あるいは環境整備、様々な部門があると思います。

 それらの中で、現在地に足のついた形で進めておりますが、それを基にしてもう一段、二段その上を行くという、そういう意味での超という表現を使わせていただいておりますが、いずれにいたしましても、目的とすれば市民生活の安全、そしてまたサービスに向けていかなければいけないという広い意味を持って示しておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。

 以上です。

中村悠基

ありがとうございます。私としては、超先進産業という言葉は、そのまま言葉のとおり受け取っておりまして、それだからこそ今の最先端である超先進産業を集積、企業の誘致だとかをしていくために、スーパーシティ特区なども必要なのではないかと思った今回の質問になっております。

 それでは、次の質問に移りたいと思います。先ほども何度か申し上げましたが、先日、上田市はスーパーシティ特区に手を挙げることを、先ほど市長からは5つの領域を考慮することなど、また時間が足りないことなどを理由に断念し、スーパーシティではなくスマートシティの実現へとかじを切り、現在はスマートシティ化推進計画を作成しているということでありました。市長の公約で掲げている、先ほど申し上げました上田市に根づく超先進産業の集積地をつくるためには、上田市が企業にとって魅力的と考えてもらい、集まってもらわなければなりません。基本的に、企業は非営利組織ではなく営利目的の組織であり、稼げる場所に集まるものであります。

 正直なところを申し上げますと、スマートシティというのは、先ほどご答弁の中でもありましたけれども、日本のデジタル化が遅れているというものの遅れを取り戻す程度のことであります。全国の他自治体も、これから必然的に取り組むべき課題であります。逆にスーパーシティはどうかと申し上げますと、今持てる最先端の技術、超先進的な技術であります。を使った未来都市を国の多くの予算を使い、実装、実現するという構想であります。そして、実証実験が繰り返されることにより、企業はここ上田市に集まり、市長の公約の超先進産業の集積も実現されるかと思います。しかし、逆に言えば、それがなければ超先進産業の集積は、スマートシティをうたったところで実現は難しいと思います。

 それでは、質問してまいります。

1つ目として、そもそもIoTやAI時代を勝ち抜くために上田市が進むべき方向性として、スーパーシティ特区への挑戦とスマートシティ社会の構築、どちらのほうが市長の公約である超先進産業の集積地を目指すために有効と考えているのか。また、この2つの地域社会に与える影響にはどのような違いがあるか。

 2つ目として、スーパーシティ特区への応募に時間的余裕ができたこの機会に、勇往邁進する気持ちでもう一度手を挙げることについて検討する考えはないか、以上2点質問いたします。

吉澤政策研究センター長

2つご質問いただいております。

 まず、スーパーシティとスマートシティのうち、どちらが有効で上田市が進むべき方向性なのか。また、地域社会に与える効果の違いについてご質問いただきました。スーパーシティとスマートシティに関して、まずは一般的に言われていることを含めまして、共通する面や異なる点につきまして答弁させていただきます。

 市民の皆様が日常生活を送る上で欠かせない領域としては、移動、物流、支払い、行政、医療・介護、教育・子育て、エネルギー・水、環境・ごみ、防犯、防災・安全、そして現下の新型コロナウイルス感染症対策なども加わり、実に幅広い分野にわたっております。こうした暮らしに直結する様々な領域において、AI、IoT等の情報通信技術を活用することで先進的なサービスを社会実装し、安心で安全、そして快適で便利な都市を目指すという視点から見た場合には、スーパーシティとスマートシティの方向性は同じであるとされております。

 一方で、この2つの制度につきましては、目標を実現するまでのアプローチの仕方に違いがあるとされております。まず、スーパーシティにつきましては、先ほど答弁いたしました市民生活に関わる10程度の領域のうち、おおむね5領域以上を広くカバーすることで、最初から都市の全体最適を狙い、データ連携基盤を構築し、規制改革を絡めながら先端サービスを一気に社会実装していく手法と認識しております。これに対してスマートシティにつきましては、先ほどの様々な領域において、個々の分野から地域課題を解決する手段として先進技術やデジタルツールの有効活用、導入を図り、それらの横展開を進めながら持続可能なまちづくりを行っていく手法とされております。

 このように、2つの制度につきましては手法やその進め方に違いがあるものの、産業界や大学等の参画、協力を得ながら先端技術や産業の集積を図り、市民、地域、行政をデジタル化でより密接につなげ、未来都市を共につくるという目標は同じであると認識しており、どちらも手法としてはあり得るものと考えております。

 また、議員ご質問の地域社会に与える効果につきましては、どちらの制度におきましても先進の技術やデジタルツールがもたらす効率化とスピード化により、住民の暮らしにゆとりを生み利便性が高まること、地域産業の振興につなげられること、そしてデジタル先進地として地域の魅力が高まることなどが期待されます。一方、進め方が異なることから、その規模感、全体のスピード感に加え、取組のインパクトに違いが出てくるものと認識しているところでありまして、どちらの制度を取り入れていくかは、全国の各自治体がこれまで積み上げてきた実績や地域の状況を鑑み、それぞれふさわしいほうを選択していくべきものと考えているところでございます。

 次に、スーパーシティへの公募の検討についてお答え申し上げます。政策研究センターでは、昨年度スーパーシティ構想とスマートシティの構築に関して情報収集を進めながら、様々な視点から実現可能性の検討を行いまして、その結果、先ほど市長の答弁にもございましたとおり、市といたしましては段階的に最先端技術の活用、導入を図るスマートシティを目指すことといたしました。

 こうした中で、スーパーシティ構想に関する国のスケジュールにつきましては、議員ご質問のとおり公募の締切りが延長され、時間的な制約は緩和されたものと認識しておりますが、市といたしましては、何よりもこれまでの取組の経過と成果、そして一歩一歩積み上げていく手法を重視いたしまして、引き続きスマートシティを目指し、取り組んでまいりたいと考えております。

 現在進めておりますスマートシティ化推進計画の策定に当たりましても、先進技術等を使うこと自体を目的とせず、あくまでも地域課題を解決する手段として、先進技術やデジタルツールを有効活用するという、いわゆる課題オリエンティド(課題指向)の視点で、地域に根差した施策を盛り込んでいくこととしております。そのために、分野ごとに関係団体や企業との意見交換を積極的に行い、課題やニーズを把握するとともに、地域産業の振興という面から、できる限り地元企業が保有する技術やインフラを有効活用することを念頭に置き、官民連携の体制で推進していく施策を計画の素案に位置づけているところであり、併せて準備が整ったものについては、今年度から実証事業に着手しているところでございます。

 また、スマートシティー化推進計画のご審議をお願いしている地域情報化推進委員会の委員の方からも、できるところから実績を着実に積み上げていってもらいたいという趣旨のご意見をいただいており、スマートシティの構築という手法で取り組んでいくことに関して、ご理解いただいているものと受け止めております。

 これまで申し上げましたように、市といたしましては現在策定を進めておりますスマートシティ化推進計画を今年度中に策定し、計画に位置づけた施策を着実に実行していくことで、市民生活や企業、団体の活動に資するスマートシティ化を積極的に推進してまいりたいと考えておりますので、ご理解いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 以上でございます。

中村悠基

ただいま答弁をいただきまして、今の答弁の中にもありましたけれども、スピード感というものが重要になってくると思います。

 先ほどもありましたスピード感という部分、そして今上田市で抱えている問題というものがたくさんあるかと思いますが、住民サービスの向上というところで考えましたときに、その住民サービスの向上を少しでも早く実現していかなければならないという喫緊の課題ということで、政策研究センターは、これらの課題を研究していることかと思っております。その中で、スマートシティとスーパーシティというと、今のご答弁の中でもありましたけれども、明らかなスピード感の違いがあります。1つずつ積み上げていくのがスマートシティだとしたら、まるっきり全部一気に実現していくというのがスーパーシティであると思っております。それらは、先ほど市長からも答弁がありましたけれども、スピード感ということを考えるのであれば、スーパーシティという道を目指すということも考えられるのかと思います。ぜひ市長は、チャレンジという言葉を大切にするのであれば、困難なことであるかもしれませんが、より早くに住民サービスの向上ができる、そちらの方向へかじを切っていただければと思います。

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