中村悠基
続いて、今年、農林水産省より発表のあったみどりの食料システム戦略について質問していきます。国は、2050年までに化学農薬の使用量をリスク換算で50%低減、化学肥料の使用量を30%低減、耕地面積に占める有機農業の取組面積を25%、約100万ヘクタールに拡大などを目標とする、みどりの食料システム戦略を策定いたしました。
しかし、その計画を実行するためには、技術的なイノベーションが必要であることや、そもそもとして遺伝子の組換えによる病害虫への抵抗性向上による化学農薬の削減など、その計画の内容の是非も含めて、早い段階でしっかりと内容を精査し、上田市内の計画を作成していくべきと考えます。
そこで質問しますが、国が定めたみどりの食料システム戦略に、上田市としては内容を精査してから目標達成するための計画の策定など取り組むべきと考えるが、見解はどうか質問いたします。
答弁者:柏木農林部長
みどりの食料システム戦略への上田市の取組についてお答えいたします。
この戦略は、農林水産業が直面する課題等を踏まえ、農林水産業や地域の将来も見据えた持続可能な食料システムの構築が急務として、中長期的な視点から戦略的に取り組む政策方針として、農林水産省が策定したもので、今年5月に公表されました。食料、農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実施することとしております。
この戦略では、30年後の2050年までに目指す姿として、14のKPI(重要業績評価指標)というものが示されておりまして、この中には議員のご紹介にありました化学農薬の使用量を低減する目標、また化学肥料の使用量を低減する目標、また耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を拡大する目標などの取組が含まれております。
また、戦略的な取組方法としまして、2040年までに革新的な技術、生産体系を順次開発するという技術開発目標と、2050年までにこの技術開発を踏まえ、政策手法のグリーン化を推進し、その社会実装を実現するという2段階の目標を掲げております。
また、KPIに示された目指す姿の実現には、この革新的な技術、生産体系の開発が前提となっております。
一例といたしましては、先ほどの化学農薬の使用量の低減に向けた技術革新として、2030年頃までにドローンやロボットを用いた害虫防除、除草技術などを開発し、普及することとしております。
その後、2040年頃からは、病害虫が薬剤抵抗性を獲得しにくい農薬の開発などが具体的な目標として示されております。ご紹介にもありました有機農業の取組面積の拡大につきましても、2040年までに主要な作物について農業者の多くが取り組むことができるよう、次世代有機農業に関する技術を確立するとされております。
いずれにいたしましても、今回のこのみどりの食料システム戦略につきましては、この5月に公表されたばかりでありまして、ただいま一例をご紹介したとおり、それぞれの目標、指標も長期的で、かつ具体的な技術革新を伴う非常に専門的な戦略となっております。
今後は、国または県のほうからこの戦略を実現するための具体的な施策や取り組み方、また関連する新たな補助メニュー等も順次示されていくものと思いますので、市といたしましては、これらの内容を把握した上で、市として必要な施策等の計画を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
中村議員
それでは、最後の質問に移りたいと思います。
日本では、人口減少や食の欧米化が進み、米の消費量が年々減ってきましたが、さらに新型コロナウイルス感染症により外食産業に休業要請や時短の要請等が行われたことで、今年については全国で多くの米が余ることが予想されております。
そこで国は、2018年に多少制度の変更もありましたが、減反政策を引き続き行い、転作について多くのお金を交付してきました。
しかし、多くの農業者が転作に取り組んだ結果、小麦などは国産需要量に対して生産予定量が到達してしまうという事態になっております。そもそもの問題として、国産需要が少ないことが要因の一つであり、食料自給率向上のためにも市として国産需要喚起にも積極的に取り組んでいくことが重要であり、さらに小麦などの転作作物も計画的に推進していくべきと考えます。
そこで、質問いたしますが、国は米からほかの高収益作物への転作を推進しているが、小麦は需要量に対して生産量が超過する見通しである。このため、ほかの高収益作物への転換を推進していく必要があるが、どのように推進を図るか。
以上お聞きして、私の一般質問とさせていただきます。