市政について
o 副議長(土屋 勝浩君)次に、質問第23号、市政について、中村議員の質問を許します。中村議員。
〔4番 中村 悠基君登壇〕
o 4番(中村 悠基君)通告に従い順次質問をしてまいります。
前6月議会で市長に対し上田市の成長についての一般質問をさせていただきましたが、その際に市長からは、上田市の持続的な発展のため、また市民サービスをより向上させるためにも、地域経済の成長と税収の増加は上田市にとって留意すべき重要な課題であるとのご答弁をいただきました。私もまさにそのとおりであると思っております。そこで、今回はどのようにこれから上田市を成長させていくのかに焦点を当て質問してまいりたいと思います。補足といたしまして、ここで言う成長とは上田市の経済成長や税収増のことであります。
現在上田市では郷土愛の醸成など地域を愛してもらうための取り組みをさまざまな施策の中で推進しておりますが、若者にこの地域を愛していただく取り組みは、都会に出た子供たちがまた上田市に戻りたいと思うため、または既に仕事などで都会に出ていった上田出身の方々がふるさと寄附金制度を活用し寄附をしていただくためにもとても重要なことと思います。
しかし、ふるさと寄附金制度では、ふるさとを思う気持ちではなく、寄附金に対する返礼品を目的に寄附をする方も多くいらっしゃるのが現状であります。返礼品目当てが悪いことではなく、返礼品としてその地域の特産物などを手にすることによりその地域のことをよく認識し、その地域を好きになっていただく契機となることもあり、一つの手段としてとても有効なことであると思います。しかし、これらのことからもわかるように、現状では税金を納める先というのは多くの国民にとってはどこでもよく、税金を納める額は少ないほうがいいと思っております。
見方を少し変え、なぜ税金を上田市に納めなければならないのかと考えると、一般市民の方はそこに住居があるからであり、法人の場合は経済活動を行う上で有利な場所や、もともとそこに本社があるからであります。納税先の市町村に税金を納めたいと思っている企業はわずかではないかと思います。それはなぜなのか、特段その自治体に思い入れがあるわけではないからであります。事業所などを複数持っている企業であれば、経営者の考え一つで、実質的な本社機能までは難しいにしろ、法人市民税などを納めるための基準になります。本店所在地は数枚の書類を書くだけで簡単に移すことができてしまいます。上田市はほかの市町村と比べ企業が魅力的に思う税の優遇制度があるわけでもなく、上田市に思い入れのない経営者ばかりになってしまったら、上田市に本社の機能を置き続けていただけるのかと非常に危惧するところであります。どうせ税金を納めるなら小さいころから、また日ごろからお世話になっている上田市、思い入れのある上田市に税金を納めたいと思っていただくことが必要と思います。
これから地方都市で企業の奪い合い、税金の争奪戦になろうかと思いますが、現在上田市に本店を置いている企業が上田にい続けていただくためにも、ありがとうの気持ちを伝えることが必要ではないでしょうか。税金は義務だと言われてしまえばそれまでですが、納税者目線から見れば義務の中にも意味を見出したいものであります。金品でなくてもありがとうと言われるだけでも自分たちが納めている税金が役に立っていると感じるはずです。そして、その気持ちは上田市に納税してあげようという気持ちにもつながります。某美容外科の金持ちの院長は納税額数十億円ありましたが、行政に腹を立てて納税先の自治体を変えております。この数十億円があれば学校にエアコンの設置もできてしまいます。納税者一人一人の機嫌をとれと言いたいのではなく、納税者が納税したくなる制度をつくれないのかということであります。税収をふやすために、新たな納税者をふやすためにも既存の納税者の税金に対する思考の変革を促すような制度をつくることが税収をふやす第一歩ではないかと思います。
そこで、質問いたします。現在上田市で高額納税していただいている法人、市民に対してお礼や何か優遇制度を設けているか、何らかのお礼をすることは市として考えられないか、高額納税と位置づけるとするならば、それは納税額で幾らからを高額納税とするのか。
以上2点質問いたします。
o 副議長(土屋 勝浩君)山口財政部長。
〔財政部長 山口 武敏君登壇〕
o 財政部長(山口 武敏君)高額納税者に対するお礼や優遇制度についてのご質問でございます。
税につきましては、日本国憲法に定める国民の3つの義務の一つとして、第30条におきまして、国民は法律の定めるところにより納税の義務を負うと規定されております。また、地方自治法第2条では、地方公共団体はこの法律の定めるところによって地方税を賦課徴収することができると定めており、地方自治体が行う行政運営の財源の根幹をなすものが地方税であります。
これらの法律に基づく税制には3つの基本原則がございます。負担の公平、経済への中立、制度の簡素、この3つでございます。このうち負担の公平につきましては、基本原則の中でも主要な考え方でありまして、経済力が同等の人々はひとしく負担すべきであるという水平的公平、また大きな経済力を持つ人はより多く負担すべきであるという垂直的公平、この2つの概念から成っております。これは、行政サービスを受けるために必要な負担を市民お一人お一人の負担能力に応じて分かち合う、こういう意味でございます。税額の多寡を基準とするお礼や優遇制度は、税の負担は公平でなければならないという基本原則にそぐわないものと考えられますことから、ご質問にあります高額納税者に対する優遇制度などは設けておりません。また、今後についても同様でございます。
なお、納税とは別に寄附行為に対しましては、上田市表彰規則に基づいて表彰を行い、感謝の意をあらわしているところでございます。
次に、高額納税者の基準というご質問でありますが、個人であれば所得や財産の規模、また法人であれば事業規模などにより高額の捉え方が異なってくるものと思われますが、当市ではこの判断基準は設けておりません。
以上でございます。
o 副議長(土屋 勝浩君)中村議員。
〔4番 中村 悠基君登壇〕
o 4番(中村 悠基君)追加質問いたします。
ただいまの答弁ですと、多くの市税を納めていただいたとしてもお礼はせず、ふるさと納税などの寄附の名目でいただいたら金品のお礼をするということであります。ふるさと寄附金制度は国民に広くふるさと納税と言われていることを考えましても、ふるさと納税でいただいた税金にはお礼をし、地元の企業や市民が多くの納税をしてもありがとうのお礼すらできない、これは税のあり方として矛盾が生じると考えますが、いかがでしょうか。
o 副議長(土屋 勝浩君)山口財政部長。
〔財政部長 山口 武敏君登壇〕
o 財政部長(山口 武敏君)ふるさと納税と通常の税の関連についてご質問を頂戴しました。
ふるさと納税につきましては、国の施策として現在の税収、これが地方と中央、都市部によって税収に偏在があると、そういったものをなくす一つの方策としてそういう制度で設けられたものであります。したがって、本来の税制とは異なる、そういう制度でありますので、その関連については国の制度でございますので、これ以上の答弁はちょっと控えさせていただきたいと思います。
以上であります。
o 副議長(土屋 勝浩君)中村議員。
〔4番 中村 悠基君登壇〕
o 4番(中村 悠基君)税金とは低所得者の払う税金も高所得者の払う税金も同じ税金であります。どちらも大切な税金に変わりありませんが、明確に金額が違い、さらに日本では累進課税制度をとっているため、負担割合も違います。所得や利益が上がるにつれ納める税額もふえていきます。納める税金がふえて嫌だなと思うのが普通の感覚でありますが、しかしそこに少しでも税金を納めてよかったなと思えることが必要と考えます。他市町村がまだどこもやっていないということをいい方向に考えれば、企業や市民の納税先として上田市に納税したくなるようなまちづくり、適切なアピールをしていけば自然と税金は集まるものと考えます。税収増で市民サービスの向上のためにも、ほかの市町村でやっていないことを先にやることは先行者利益がありますので、前例や税のあり方にこだわるのではなく、ぜひ一度お考えいただきたいと思います。市全体に言えることでありますが、できない理由を探すのではなく、できるための努力をしていただきたい、その意識改革も今まさに必要であります。
続きまして、上田市の持続的な発展のために、上田市の行政を支える市の職員の人員評価制度と人材育成制度について質問してまいります。地方公務員の給与は人事院勧告制度で国が国家公務員の給与を決め、その額を参考に決められております。この人事院勧告では支店で50名以上勤務している企業の給与の平均額が基準に使われております。現在長野県の平均賃金は、リーサスのデータになりますが、2016年度全業種平均で417万円であります。一方、上田市の人事行政の運営等の状況に記載されております一般行政職職員の平均賃金は622万円であります。これは民間の大手企業と同水準の公務員給与でありますが、地方の中小零細企業と比べると大きな乖離が存在します。民間委託により経費の削減ができているとのことで、先日産業水道委員会で水道の視察に行った際には、その中身を見ると、同じ仕事量、同じ仕事内容の中で削られているのは人件費のみでありました。これらからも上田市に限ったことではありませんが、民間と公務員の間でかなりの賃金の乖離があることが推測できます。
そこで、質問いたします。上田市職員と民間企業間の賃金の乖離を市はどのように考えているのか、お尋ねいたします。
o 副議長(土屋 勝浩君)神代総務部長。
〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕
o 総務部長(神代 芳樹君)公務員と民間企業の給与につきましては、任用形態、役職、年齢、人員構成等が同一でない場合は乖離があるように見える可能性もあるかと思います。しかしながら、地方公務員の給与につきましては、民間企業や他の団体の給与と乖離がないよう、地方公務員法におきまして国及び他の地方公共団体の職員の給与、民間企業の従事者の給与等を考慮して定めなければならない、いわゆる均衡の原則です。また、給与、勤務時間、その他勤務条件が社会一般の情勢に適応するように随時適当な措置を講じなければならない、いわゆる情勢適応の原則であります、に規定されているところでございます。均衡を図って情勢に適応するためには、国には人事院が、都道府県や政令指定都市には人事委員会が設けられまして、官民格差を調査し、職員の給与等に関する報告及び勧告を毎年度行っております。この調査につきましては、企業規模50人以上で、かつ事業所規模50人以上の事業所から無作為に抽出した事業所の従業員について、職種、役職、学歴、年齢等公務員と条件を合わせて給与額を調査し、官民の比較を行っているものでございます。
市にはこうした人事委員会がございませんので、官民格差の結果も考慮した国の人事院勧告及び県の人事委員会勧告に準じることで、民間企業を初め他団体との乖離がなく、均衡が保たれ、情勢に適応した給与制度を構築することができるものと考えております。
以上でございます。
o 副議長(土屋 勝浩君)中村議員。
〔4番 中村 悠基君登壇〕
o 4番(中村 悠基君)職員の給与は職員の生活、市の経済を考えれば多いほうがいいに決まっておりますが、我々は職員の給与と同じく、従業員数50名以下の中小零細企業や地元企業で働く市民の収入のことも真剣に考えていかなければなりません。職員の給与算定基準に市の平均賃金が使用されていれば、必然と職員が進んで市の経済をよくしようと働くと思いますが、いきなりそれは難しいと思います。職員の給与が平均賃金よりかなり多く支給されている現状で市民に職員の給与を引き下げろと言われないためにも、大多数の市民がそれ以下の生活を余儀なくされている現状を認識し、大多数の市民の給与を市の職員並みに引き上げる環境づくりが必要と考えます。そのために必要なことが地域経済の成長であります。そして、地域経済を成長させるためには市の職員の成長も同時に必要になると考えます。
そこで、成長を邪魔している一つの原因でもあります公務員の事なかれ主義について質問してまいります。この事なかれ主義というのは、平常どおり業務をこなせば給与は変わらず、上司に怒られることもないことから、新しいことを恐れ、新たな取り組みをなかなか実行できないという状況であります。本来であれば優秀な職員が新たに挑戦しようとすることの背中を押してあげて、伸び伸びと、生き生きと活躍できる職場環境を整備することが必要なはずです。そのためには、職員が重大な失敗をしても、その職員の責任のみにするのではなく、上司や市長がしっかりと責任をとり、さらに我々議員も失敗を恐れず行動する職員を後押ししなければなりません。また、失敗したことを追及するばかりではなく、まずは失敗しないようにしっかりと委員会等で意見を出すことが重要なのではないかと思います。職員が失敗を恐れず挑戦できる環境をつくっていく、それがこの厳しい少子高齢化社会を切り抜けていくためにも重要と考えます。失敗をしないために努力する、改善することが前提となりますが、「失敗は成功のもと」、有名なことわざであります。失敗をすることは新たな成功へと続く道であります。失敗すらも許されない現状では、前例を踏襲するだけで、そこから新しいことなど生まれてきません。そんな状況でこの時代を生き抜けるのかと危惧しております。
そこで、質問いたします。公務員は事なかれ主義と言われていることを認識しているか、また事なかれ主義と言われている原因は何か、どう対処し、どう改善していくのか、お伺いいたします。
o 副議長(土屋 勝浩君)神代総務部長。
〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕
o 総務部長(神代 芳樹君)ご指摘をいただきましたように、行政に従事する公務員は、例えば新しいことをやりたがらない前例踏襲主義であるとか、世間一般から事なかれ主義であると評価をいただくこともあろうかと思います。もちろん実際には全ての公務員がそうではございませんけれども、一部公務員の言動等によりそのように思われていることがあるとしたらまことに残念でありますし、そう思われること自体が問題であると認識をしているところでございます。
事なかれ主義と思われる原因を推測いたしますと、1つに、公務員の仕事は法令にのっとって行うことが多いという性質上、業務の継続性と公平性が求められまして、先例に沿った取り扱いが必要となる場面が多いという点が考えられます。もちろんそのような行政分野ではそうした対応が必要なのですが、例えばまちづくりにかかわる行政分野などでは、前例のない政策課題の解決に向けて、失敗を恐れず果敢にチャレンジしていく姿勢が重要でございます。そうした職員の積極性を高めるためには、職員の自主性を認めて、時には失敗を許容する姿勢、失敗を次のステップにつなげていくという姿勢が必要であり、組織としても風通しがよく、職員が積極的にチャレンジでき、生き生きと活躍できるような職場風土の醸成が必要であると認識をしているところでございます。
市におきましては、人材育成基本計画において、みずから考え行動し、そのためにみずから成長を目指す職員を基本姿勢とし、自発的な行動や自己啓発を推奨し、チャレンジ精神が旺盛な職員の育成に取り組んでいるところでございます。従事する業務の内容により継続性が求められる分野であったり、新しいことにチャレンジしていく分野など行政の仕事は多岐多様ではありますが、失敗を恐れず何事にもチャレンジしていく精神を持った職員の育成にも十分配慮してまいりたいと考えております。
以上でございます。
o 副議長(土屋 勝浩君)中村議員。
〔4番 中村 悠基君登壇〕
o 4番(中村 悠基君)続きまして、ふるさと寄附金制度は行政側から見れば税収がふえる、返礼品の提供業者から見れば市のために活躍でき、さらに商品が売れる、納税者から見れば寄附金控除が受けられ、さらに返礼品までいただける、地方に限って言えば三方よしの制度でございます。しかし、先日担当課と話をしていると、末端の職員はこれらのことを認識しておりませんでした。職員一人一人に地元企業と税収がふえることによる利益をしっかりと認識させること、それが市民のためになること、そしてそうなれるように市の職員は最大限努力しなければならないことを意識させることは重要なことであると思います。今回たとえとしてふるさと寄附金制度を出しましたが、これらの問題はふるさと寄附金制度に限った話ではなく、どんな事業も市民にとってどんな利益または不利益があるのか考え、市民のために働く職員でなければならないと思います。
そこで、質問いたします。上田市の求める人材は上田市職員採用案内にも掲載されておりますが、奉仕の精神を持ち、市民に信頼され、ともに行動する職員、広い視野で課題を発見し、解決に向けて行動する職員、地域に働きかけ、地域とともに考え行動する職員、自立した行政のプロとして常に成長を目指す職員、これら職員採用案内のパンフレットには市が求める職員像を明記しておりますが、市が求める水準を満たすとして採用した職員の割合はどうか。職員の教育を行うには対象職員が職責に応じた役割を果たすために必要な取り組みや姿勢を把握する必要があるが、職員評価においてどのように評価しているか。市が理想とする職員を育成するための人材育成制度の内容はどうか。また、人材育成制度の効果や課題はどうか。
以上3点について質問いたします。
o 副議長(土屋 勝浩君)神代総務部長。
〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕
o 総務部長(神代 芳樹君)最初に、職員採用案内のパンフレットに記載をしてあります求める職員像でありますけれども、上田市の人材育成基本計画にて市職員が目指す職員像として掲げている項目と同じものでありまして、職員採用に当たり市ではこういった人材を求めている、入庁後はこういった職員に成長してほしいという思いを込めて記載をしているものでございます。そのため、職員採用に当たりましては、成績主義のもと公平で公正な採用試験の実施のため、パンフレットに記載の求める職員像をどれだけ満たしているかといった観点での採用は行っておらず、また求める水準も客観的な数値等であらわされるものではないため、割合ということにつきましては把握が困難でございます。
市の職員を目指す受験生にあっては、職員として採用された暁には市が求める職員像に近づける職員となるよう、みずから成長を目指していくことを期待しているところでありますが、市といたしましても人材育成基本計画に掲げる人材となるよう育成に尽力してまいりたいと考えております。
次に、人事評価の実施に当たりましては、それぞれの職位に応じた評価シートに基づき、それぞれの職位に求められる役割を踏まえた能力評価と、組織目標や事務分担を踏まえ、職位ごとの視点に応じ設定した目標に対する達成度を評価する業績評価、この2つの評価を実施をしているところでございます。このそれぞれの職位に求められる役割につきましては、全ての職員がみずからの職位に求められる役割が自覚できるよう、人材育成基本計画の中で各職員ごとに定めておりまして、自己評価を行う際にもみずからの職位を踏まえ、求められる水準に達しているかどうかという視点も踏まえ評価を行っているところでございます。
また、人事評価の実施に当たりまして、管理監督者は被評価者の職位に求められる役割を踏まえ、職務遂行上発揮された能力や業績に基づき評価をするとともに、フィードバック面接においては、人材育成の観点から被評価者の職位に応じた指導や助言を行い、職員の育成が図られるよう活用をしているところでございます。
次に、人材育成制度の内容でございますけれども、職員の育成に当たりましては、人材育成基本計画に掲げる職員の育成を目指して、人事制度、研修制度、職場づくりの3つを柱に育成に取り組んでいるところでございます。具体的な取り組み事項といたしましては、人事制度については、能力と意欲を生かす人事制度となるよう、人事評価制度を中心に自己申告制度による職員意向の反映や希望昇任制度による意欲ある職員の登用など、職員のやる気を引き出す制度となるよう配慮をしているところでございます。研修制度につきましては、毎年職員研修計画を策定し、各職位に応じた階層別研修の実施や、各業務に必要な専門的知識の習得など、計画的に人材の育成に努めるとともに、複雑多様化する行政課題に対処するため、職員アンケートを実施して職員のニーズにも応じた研修を実施をしているところでございます。
職場環境づくりにつきましては、ともに育つ職場づくりを目指し、職場内コミュニケーションの活性化と活力の高揚を図るため、全職場で朝礼を実施をするとともに、働き方改革という観点も踏まえ、ワーク・ライフ・バランスの推進を図り、職員が生き生きと心身ともに健康で働ける職場環境の整備を図っているところでございます。
こういった取り組みを行う中、効果という点につきましてはなかなか測定が難しいものがありますが、例えば研修につきましては、学んだことを日々の業務に生かすとともに、本人だけではなく、職場の上司や同僚へ復命することにより知識の共有を図り、業務の円滑化や市民サービスの向上につなげているところでございます。
また、課題といたしましては、公募により実施する研修において参加者が定員に満たなかったり、応募者が固定化しているという状況や、希望昇任制度の応募者も少ないなど、職員の積極性という面が課題と捉えております。職員の意欲と能力の向上は結果として市民サービスの向上にもつながるものと認識しておりますことから、今後も人材の育成と働きやすい職場環境づくりに向け継続的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
o 副議長(土屋 勝浩君)中村議員。
〔4番 中村 悠基君登壇〕
o 4番(中村 悠基君)組織にとって子供は宝と言われるのと同じく人材は宝であると思います。人材不足と言われる現在、優秀な人材を初めから確保しようとしても不可能です。であるならば、しっかりと職員を育てていかれる環境の整備をお願いいたします。
続きまして、公共事業の各種入札について質問してまいります。昨年の上田市議会決算特別委員会の報告でも附帯意見としてありましたが、現状では災害時や緊急時に道路、水道などの公共の設備を担う企業の方々が、田中康夫県政でも大きな問題となりましたが、ふだん仕事がなく、廃業していき、緊急時の対応が全くできないという事態に陥りかねません。ただでさえことしは西日本豪雨、大阪府北部地震、先日の北海道胆振東部地震があり、災害の少ないと言われる上田市でさえいつ大規模な災害が起こるかもわからない状況であります。地元企業を市場原理的に競争させていては価格競争力のある大手企業が公共事業を毎回落札することとなり、市として短期的に見れば支払う金額が減り利益がありますが、長期的な目線で見ると災害対応力が損なわれていくことも懸念されます。長期的な視点と市民の生命、財産を守る観点からもできる限り上田市の業者に発注し、企業を育てることを考えてもらいたいと思います。
そこで、質問いたします。上田市における一般競争入札と指名競争入札の割合はどの程度か。入札の際は参加資格に市内に支店を有する業者といった条件を設けているが、市内に支店を有する業者として登録できる条件は何か。営業実態がないのに固定電話を置いているだけで市内に支店を有する業者として登録している事例はあるか。また、定期的に営業実態を確認する考えはあるか。
以上4点質問いたします。
o 副議長(土屋 勝浩君)山口財政部長。
〔財政部長 山口 武敏君登壇〕
o 財政部長(山口 武敏君)各種入札についてご質問を頂戴しました。
建設工事の入札は、公正な競争の確保及び不正行為排除の観点から、平成23年12月に地域要件を撤廃し、予定価格が130万円を超える建設工事は原則として一般競争入札により実施をしております。指名競争入札は、工事の性質、目的により入札参加者が少数であると見込まれ、一般競争入札に適しない場合について実施をしております。建設工事に係る測量、設計などのコンサルタント業務委託では、全てにおいて指名競争入札を実施をしております。
ご質問の上田市における建設工事の一般競争入札と指名競争入札の割合でございますが、平成29年度の実績で一般競争入札が210件で88.2%、指名競争入札が28件で11.8%となっております。
次に、市内に支店を有する業者の関係でございますが、上田市では入札に参加を希望される方の入札参加資格申請に基づき入札参加資格者名簿を作成しておりますが、所在地区分ごとに名簿を作成しております。この所在地区分は、市内、準市内、県内、県外の4区分があり、市内は市内に本店を有する業者、準市内は市内に支店または営業所を有し、その支店または営業所に入札契約に関する権限が委任されている業者、県内及び県外は、それぞれ県内及び県外に本店、支店または営業所を有し、同様に権限が委任されている業者、こういう区分でございます。
ご質問の市内に支店を有する業者でございますが、準市内に区分をされます。入札参加資格の審査の際、法務局が発行する登記事項証明書により所在地の確認を行っております。営業実態のない業者が登録されているかどうかについては、現在のところ確認はいたしておりません。
発注に当たりましては、まずは市内業者が優先的に受注できるよう配慮をいたしております。市内業者だけでは困難な場合、あるいは競争性が確保されない場合に順次準市内業者、県内業者、県外業者と範囲を広げることとしております。所在地区分が業者選定の基準の一つとなっておりますことから、今後は所在地区分の取り扱いを明確にし、より一層の市内業者の受注機会の確保に努めてまいります。
具体的には、上田市の入札参加資格は平成31年3月に期限を迎え更新となりますことから、これを機会に新たな所在地区分の取り扱いの基準を設け、必要に応じて随時実態調査を行うなど、適正な審査事務に留意をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
o 副議長(土屋 勝浩君)中村議員。
〔4番 中村 悠基君登壇〕
o 4番(中村 悠基君)安ければいいという考え方はやめ、市が発注する工事では全く業者に利益が出ず採算が合わないと言われないようにすることや、さらにそこで働く従業員を養い、設備投資を企業が行うためにも、利益まで考えてあげることが必要であります。しかし、利益を出させてあげなければなりませんが、そのお金は市民の税金でもあります。非常に難しいところであります。これらの問題を解決するためにも、最初に申し上げましたが、税収の増加が必要ではないのかと思います。個人所得、法人の利益、上田市の税収、住民サービスの向上、公共設備や施設の維持、地域経済の成長は一体であります。よりよい上田市のためにもぜひみんなにとってよりよい新しい仕組みを考えられないかと思います。
それでは、最後の質問となりますが、現在の入札制度の問題点をどのように分析しているか、またどのように改善するか。
以上お尋ねして、私の最後の質問とさせていただきます。
o 副議長(土屋 勝浩君)山口財政部長。
〔財政部長 山口 武敏君登壇〕
o 財政部長(山口 武敏君)現在の入札制度の問題点とどのように改善するかというご質問でございます。
地方公共団体の経営につきましては、議員のご質問にもありましたとおり、市民の皆様に納めていただく税金、これが原資となっております。したがいまして、予算の執行の第1段階である入札制度につきましては、地方自治法などに定められておりますとおり、公平性の確保から競争入札が原則となっており、これにつきましては適正に執行されているものと考えております。一方で、地元業者の担い手確保、また育成を図ることも重要となってまいりまして、この観点から建設工事の入札制度の見直しを進めているところでございます。
また、その他の課題としまして、働き方改革、また適正な品質確保の観点から、施工時期の平準化や適正な工期の設定、週休2日工事の取り組みも必要であると考えております。改善策といたしましては、債務負担行為の活用や速やかな繰り越し手続などが考えられますが、今後先進地の活用事例について情報収集に努め、制度について研究をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
o 副議長(土屋 勝浩君)中村議員の質問が終了しました。
ここで15分間休憩といたします。